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生成AIが道具屋をコンビニと言い換え? 「RPGの世界観壊す」ゲーム組み込みに慎重な会社も…東京ゲームショウ

iza(イザ!) / 2024年9月27日 11時44分

東京ゲームショウに出展したスクウェア・エニックスのブース=26日、千葉市美浜区の幕張メッセ

幕張メッセ(千葉市)で開幕した日本最大規模のゲーム見本市「東京ゲームショウ2024」で、人工知能(AI)を活用した出展が目立っている。文章や画像を自動で作る生成AIがビジネスの現場に広がるなか、ゲーム業界もさまざまな形でAIと向き合っている。

カプコンが出展した対戦格闘ゲーム「ストリートファイター6」に今月、AIと戦う機能が追加された。自分のプレイの傾向を学習させたゴースト(分身)と戦うゲームは以前にもあったが、数百万人のプレイデータから生成されたAIと戦えるようになり、オンラインで見知らぬ人と遊ぶことが苦手なユーザーも“疑似対人戦”が楽しめるようになった。

ゲーム業界がAIへの関心を高めるのと並行して、AIを利用したゲーム開発ツールを作るIT企業も活気づいている。ジール社でマネジャーを務める川合雅寛さんは、ゲームシナリオや小説をテキストデータとして入力すると、読者がどのシーンでどのように感じるかを分析して可視化するシステム「StoryAI」を開発した。大量のテキストデータをもとにした大規模言語モデル(LLM)を使い、AIが本筋から離れたエピソードが物語に必要なものなのかを判断。改善点を提案してくれるような使い方もできるとしている。川合さんは「各ゲーム会社には経験から得た勝ちパターンがあるので、新しいゲーム企画とこれまでのヒット作を比較してシナリオを練り直せます。会社ごとに自社のデータを使えば他社の権利を侵害してしまう心配もありません」と話す。

StoryAIはすでに複数のゲーム会社で採用されており、小説を書きたい人向けに、大手出版社が提供する会員サービスとして活用された事例もある。川合さんは「もともとは小説を書くのが好きな妻のために考えた技術。まさか幅広い層の方々に使ってもらえるようになるとは」と驚いていた。

一方、1990年のRPG「ドラゴンクエストIV 導かれし者たち」で、指示を出さなくても仲間たちが自動で行動を選択するAI戦闘を導入したスクウェア・エニックスは現在、生成AIをゲームに組み込むことに慎重な姿勢を見せる。同社の広報担当者は「例えばファンタジー世界が舞台のRPGで、村人などのノンプレイヤーキャラクター(人間が操作しないキャラ、NPC)が店を指して『道具屋』と言うべきところを『コンビニ』と言うと世界観が壊れてしまいます。ゲームに最適化されていない生成AIをプレイヤーに提供するのはまだ難しいのではないでしょうか」と説明。しかし、クオリティーの向上、製作期間の短縮、開発コストの削減など、ゲーム作りではAIを活用しており、「ムービーシーンはCGキャラの口の動きと音声が連動するように作られます。日本語版のムービーを海外向けの英語版にする際、英語で発音しているような口の動きをAIで再現するなど、細かいところで活躍している」と話す。また不自然な口パクになっていないかを確認する作業はゲームクリエイターらが行っていて、「AIに仕事を丸投げしているわけではない」と補足した。

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