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[細川珠生]【集団的自衛権行使は慎重に】~安全保障法制の問題点~

Japan In-depth / 2015年4月26日 11時0分

[細川珠生]【集団的自衛権行使は慎重に】~安全保障法制の問題点~

自民党は、今月末の安倍首相とオバマ大統領の会談までに、集団的自衛権についての協議をまとめるための最終調整に入っている。昨年、集団的自衛権の行使容認のための憲法解釈の変更が行われ、個別の調整が進んでいく中で、具体的な問題点が明らかになってきた。衆議院議員の渡辺周氏を招き、日本の安全保障法制の問題点について聞いた。

平時でも有事でもない、いわゆるグレーゾーン、例えば北朝鮮や中国で危機があった時、日本とアメリカはどこまで協力して動くことができるのか。アメリカの船が攻撃されたとき、日本の領海内ではない公海では日本は反撃してはいけないのではないかという議論は終わり、荒くれ者はみんなで退治しようということになったが、その先が問題だ。

「日本の国を守るために、集団的自衛権を認めてよいのではないか。しかし、あくまでも日本という国を守るためなので、周辺事態という概念は持たせたい」と、渡辺氏は民主党の考えを表明した。一方で、与党は周辺事態法を重要影響事態に変えて、行使の範囲を広げようとしている。これに対して渡辺氏は、「今はまだ早すぎる」と述べ、国民の理解が得られるほどには議論が進んでおらず、またそこまでの準備がないことを指摘した。

渡辺氏の考えは、日本に実態的な影響があれば、武力の行使が認められるが、そうでない場合は慎重にすべきだというものだ。例えば、ペルシャ湾での機雷掃海。「本当に我が国の平和と安全に重要な影響を与えるのか」と述べ、まずは他のオプションを試し、無理なら国際社会とともに考えるべきという考えを示した。

日本が後方支援をする地理的な範囲について、どのように考えればよいのか。日本は、日米安保条約を結んでいるため、アメリカとの協調には理解がある。しかし、アメリカ以外の国と共同歩調をとることに対しては不安が大きい。例えば、中東の国々が被害を受けて、日本の石油に影響があるからといって自衛隊が出動できるのか。「そういうケースは判断が難しい」と細川氏は述べた。

日本と友好関係にある国は沢山あるが、同盟関係のある国はなかなかない。ましてや軍事力を行使するほどの国はない。「日本が参加するかどうかはアメリカと相談して判断するべきだ」と渡辺氏は述べ、局地的な戦いに勇み足で参加することへの懸念を示した。

日本国民が集団的自衛権行使を認めるということは、すなわち国会での承認が必要だ。自民党は、事前承認が必要なのは一部だと言っているが、「(全ての)事前承認が大前提」と渡辺氏は話す。国会議員が理由をきちんと提示し、責任を持つことが重要だ。緊急性のあるときは仕方がないという意見もあるが、国家の一大事のときには緊急招集して承認をとることが必要だと渡辺氏は強調した。

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