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[細川珠生] 【目玉の九条は慎重に議論】~自民、憲法改正推進本部長に聞く 2~

Japan In-depth / 2015年5月31日 12時0分

[細川珠生] 【目玉の九条は慎重に議論】~自民、憲法改正推進本部長に聞く 2~

先週に引き続き、自民党憲法改正推進本部長の船田元氏と憲法問題について取り上げる。今回は、実際にどのように憲法を変えていくのか、具体的な内容について聞いた。

自民党結党の際は、自主憲法を作ることを党是としていたが、現状は日本国憲法を作り直すのではなく、修正していく流れになっている。これは自民党の結党の精神とは少し異なるのではないか。細川氏がその点について聞くと、船田氏は「現行憲法を無きものにするというのは、実際の政治上はあり得ない」とし、「少しずつ改正をしながら自主憲法に生まれ変わっていくというのが主流の考え方」と述べ、今の憲法を土台としていく考えを示した。

公明党も加憲なら良いとしているということに細川氏が触れると、船田氏は「今まで書いていないことを新たに書き加えるものもあれば、現行憲法の条文を変えなければいけない点もある。公明党が加憲だからそうするというわけではない」と述べた。

他メディアなどで、「前文を変えるのは最後」と船田氏が話していることに対して、細川氏は「前文こそが大事。前文こそまず変えてみるべきではないのか。」と意見を述べた。それに対し船田氏は「前文は憲法全体を規定していくもの」とし、「条文がどのように変わっていくのか見届けないと、日本としての姿かたち、憲法全体のニュアンスが決まらない」と述べ、前文を最後にすることが現実的な順番であることを示唆した。また、もう一つの理由として「憲法前文に関しては国論が二分、三分しているので、時間がかかる」とも話した。

具体的にどこから改正に取り組むのかと細川氏が質問すると、船田氏は、三年前に自民党が改正草案を発表した時に「九条の改正」がポイントとなったことを挙げ、「九条が目玉だが、九条については賛否両論。慎重に議論していかなければならないと思う」と話した。

自民党、公明党そして野党も含め、憲法改正の一回目のテーマとしてどのようなものが相応しいかを議論した際、「①環境権をはじめとする新しい人権 ②自然災害や外国からの不正な侵入など緊急事態に対する国会や政府の在り方 ③赤字財政への対処」の三点が当面の関心事項として一致した。

そんな中で、「ごく最近、与野党間でこれがやっぱり重要だと思うのが『緊急事態条項』だ」と船田氏は述べた。具体的には、衆議院の解散中や解散間際に地震が起こったらどうするか、任期の延長や解散後に特例で招集などを考えているという。「そういったことから議論することが急務ではないか」と船田氏は述べた。

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