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[Ulala]【学術学位と職業学位が並立するフランス】~日本もそれぞれの才能が活かせる社会に~

Japan In-depth / 2015年6月23日 8時0分

一方、日本はそれぞれの適正に合わせた教育が本当に行われているだろうか?
日本もフランス同様に学歴社会だ。それに付け加え、まだまだアカデミック教育に非常に偏っていて、学歴を高めるためには誰も彼も大学を目指すことになる。そのため勉強に才能がある学生が、大学に進学して日本の学術分野を更に発展させる分にはいいのだが、勉強はそこまで得意ではないが、実践力があったり他の分野に才能がある学生まで、とにかく大学に行っている状況ではないだろうか?

日本は2009年には4年制大学進学率が50%を超えるなど、高学歴化した。がしかし、一方で世界ではあまり見られない現象がおきている。「ニート」(若年無業者)の高学歴化だ。フランスなどでは学歴が低いために就職できず「ニート」になる人は多いが、日本の「ニート」の学力は他国と比べて高いと言う。高等な教育を受けて尚且つ仕事に就けない人が多いのだ。

第3次産業が大きな雇用吸収力を持っていた時代には、勉強したことが仕事に結びついてなくても就職に困ることもなかったものの、時代は低成長期に移り雇用吸収力も低下。大卒を必要とする就職先も減少した。その上アカデミックな勉強中心では実践はあまり学べないため、教育と社会のリンクがうまく行かず実社会に適応できない人も出てきた。要するに教育システムが時代にマッチしていないことが原因の一つであることは間違いない。

そういったミスマッチを解消するために、政府は実践的な職業教育や技能訓練を行う高等教育機関として「職業教育学校」を設置する方針を固めた。実践的な実習やインターンが重視され職業に必要なスキルを身につけることができる上「学士」の学位がとれる大学になるようだ。これによって実践に向いている学生が目的を持って勉強することができたり、より身近に社会を感じながら勉強ができることで、救われる学生もいるだろう。

しかしこれだけではまだまだ足りない。学業以外の才能を並列に値する資格で評価する制度をもっと整備できないだろうか。だいたい、無駄に勉強、勉強と言われて育つよりも、自分に自信を持つことを知っている人間の方が大きく飛躍する。日本にはビックリするような才能を持っている人がいるのに、妙に才能の無駄遣いばかりしているも多いように思えてならない。

AO入試のように大学に入る敷居を低くして大学進学者の幅を増やすのではなく、大学はさらなる研究や教育者などの論理を扱う才能ある人に残す方向にして、並列に違う才能を評価する資格を整備する方がいいのではないだろうか?

かけっこ競争でみんな一緒にゴールインでは、親の一部は満足感を得ることができるかもしれないが、結局、子供達は誰も幸福になれない。沢山の種目が優劣なしに並列に存在し、それぞれの適性や才能が生かせる種目の中で競い合い評価される。そういった状況の方が各自のモチベーションも上がり、競い合うことで更にその能力のアップも期待できる。評価される基準が増えれば、認められると言う成功体験を持てる場も増え、「自信」と言う武器を身に着ける若者も増えるのではないか?そんなことをいろいろと考えさせられた午後となったのだ。

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