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[山田厚俊]【国会議員に育児休暇は必要か?】~自民谷垣幹事長は規則改正に慎重~

Japan In-depth / 2015年12月26日 11時0分

[山田厚俊]【国会議員に育児休暇は必要か?】~自民谷垣幹事長は規則改正に慎重~

思わぬ波紋に一番驚いているのは、当の本人たちだろう。12月23日に挙式した自民党の宮崎謙介衆院議員(京都3区、当選2回)との金子恵美衆院議員(新潟4区、当選2回)のカップル。宮崎氏は育児休暇を取得したい考えを明らかにしたのだ。いわゆるイクメンの実践だ。

深刻な少子化問題が遅々として進まない中、男性の育児休暇取得は社会全体の課題の一つ。国会議員が率先して取り組むのは、“美談”として成り立つ話だ。しかし、衆院規則には育児による欠席の規定はない。谷垣禎一幹事長は規則改正に慎重な姿勢を見せた。

ネット上では賛否両論。そんな中、議員経験者の一人はこう疑問を投げかける。

「1月4日から通常国会が始まりますが、所属する委員会、採決するための本会議など、出席するために必要な日数はごくわずか。なのに、ルールも決まっていない育児休暇を取得するのは、いかがなものかと思います」

国会議員は朝晩も休みもない仕事だと見られがちだが、実はそうではない。朝早くから勉強会に参加したり、地元で街頭に立ち演説したりしているのは、自らのために率先してやっているだけで、国会に出る「縛り」は実はそう多くないのだ。

一方、育児休暇制度に焦点を当ててみると、大手企業の多くは導入しているが、取得期間中は給与が満額支給されるわけではない。職場復帰にもハードルがいくつもある。中小、零細企業となると、さらに深刻で、形式上制度はあるものの、現実問題として取得できない場合が多い。理想と現実の狭間で多くの人たちが今なお悩んでいる問題である。

「衆院議員の歳費は、月額129万4000円。さらに、ボーナスにあたる期末手当が約635万円で、年収約2200万円になります。夫婦合わせて約4400万円ある計算になります。ルールがない中、育休を認めれば、満額支給となるでしょう。本来なら、ベビーシッターを雇えばいい話でしょう」

それをあえて取得して衆院の規則改正をするのは、いかがなものかと指摘しているのだ。また、そのハレーションも考えなければいけないという。

「民間に育休制度を広げるのはいいことだが、ムリして進めれば中小、零細企業はやっていけない。やらなければブラック企業扱いされる。そうなると、また倒産ラッシュになる恐れもある。しっかりした経済政策と、少子化対策をしたうえで、民間をムリに圧迫しない慎重な議論が必要です」

育児も必要だが、やるべき仕事は他にもあるはずとの指摘に耳を傾けるべきだろう。

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