「犬猫の親子を引き離さないで!」 画期的条例、札幌で
Japan In-depth / 2016年2月20日 11時5分
安倍宏行(Japan In-depth 編集長・ジャーナリスト)
「編集長の眼」
「8週齢規制」と言う言葉を知っておられるだろうか?
動物は生まれてから8週間は親から引き離さない、という規制のことだ。動物は、離乳前の幼い内に親から引き離されると社会性が欠如し、吠えたり噛んだりする問題行動を取る傾向が強まることがわかっている。そればかりでなく、まだ抵抗力が十分でないため、伝染病などにかかりやすいなど、問題は多い。
そのため、多くの国で8週齢規制が行われているが、日本ではまだ法制化されていない。そうした中、札幌市では全国に先駆け、すべての犬猫の飼い主に「生後8週間は親子を共に飼養してから譲渡するように努めること」と努力義務にする条項を盛り込んだ動物愛護条例の制定が3月上旬に予定されている。
こうしたことから、19日、8週齢規制の全国的な広がりを後押しするため、東京千代田区の第二衆議院会館にて「札幌市動愛条例の『幼い犬猫守る条項』を応援する緊急院内集会」が開かれた。会には、「犬猫の殺処分ゼロをめざす動物愛護議員連盟」の国会議員や、動物愛護団体の代表、獣医師や法律の専門家、ボランティアら140名が集まった。
会の冒頭、動物愛護に取り組んでいる女優の浅田美代子さんが「8週齢規制は札幌市が初めて。35日~40日で(市場に)出されている動物は離乳の時期。買った人が懐かない、といって棄てている。そして殺処分になる、と負の連鎖になっている。他の自治体でも(8週齢規制を)どんどん広げてもらいたい。条例の方が法律より強い場合もある。是非応援してもらいたい」と述べた。
動物愛護議員連盟の松野頼久衆議院議員は「前回の動物愛護法改正の時(2012年)、5年後に8週齢規制が入るはずだったが、環境省が怠っている。やろうとしていない。今国会、予算が上がったら環境委員会でしつこくやりたい。多くの自治体では、条例と動物愛護法が一致していない。(動物を)毒殺、薬殺していいなどという条例がまだ生きている。こんなことも取り組んでいきたい。全国の自治体が札幌市のように頑張ってもらいたい。」と述べ、8週齢規制の法制化に意欲を示した。
同じく議連事務局長の福島みずほ参議院議員は「札幌市の条例の成立を心から応援したい。国会でも議連や超党派で8週齢実現のために頑張っていく。」と述べた。また、元衆議院議員でTOKYO ZEROキャンペーン代表の藤野真紀子氏は、「札幌の条例を形にし、全国に普及させ、法律にしよう。(議連で頑張っているような)力のある国会議員をしっかりと支援することが大事。」と述べた。
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