東京虎ノ門、国際新都心計画加速
Japan In-depth / 2016年4月14日 10時16分
Japan In-depth 編集部(庄司江里子)
大手デベロッパー森ビルが手がける「虎ノ門ヒルズエリア」の大規模プロジェクトが始動。国際新都心に向けて、新たに超高層ビル3棟が建設される。
東京・虎ノ門エリアに超高層の「虎ノ門ヒルズ森タワー」が誕生してから約2年。13日に森ビルの辻慎吾社長は、その隣接地を「国際新都市」へと変貌させるための意気込みと狙いを語った。
今後建設が予定されている3棟の超高層ビルのうちのひとつ、地上36階建ての「虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー(仮称)」(2019年竣工予定)はグローバルレベルのオフィス、商業施設を持つオフィスタワーとなる。1階には、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの際、選手村と新国立競技場や各スタジアムなどを結ぶバスの発着拠点を整備。また空港リムジンバスの発着も可能となり、東京を訪れた選手や観客にとっては「東京の玄関口」となる。
さらに、地上56階建ての「虎ノ門ヒルズ レジデンシャルタワー(仮称)」(2019年竣工予定)では、約600戸の高級住宅棟を供給する。虎ノ門エリアを含む港区は、都心の中でも外資系企業と合わせて、外国人居住者も圧倒的に多く、国際新都心になりうる十分なポテンシャルを有しており、また高級住宅の多さはグローバルプレーヤーを迎え入れる上で重要不可欠な要素だと辻社長は強調した。
残る1棟の「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー(仮称)」は、オフィスやホテルなどを複合させたタワーとなり、東京メトロ日比谷線の霞ケ関―神谷町間に整備している「虎ノ門新駅(仮称)」と一体で開発し、22年度までの完成を目指す。この最上部には、大企業やベンチャー企業、起業家などにも開かれた交流施設を設置し、新たなビジネスやイノベーションの発信拠点を目指す。これら3棟の総事業費は約4000億円を見込む。
また虎ノ門ヒルズとともに整備された「新虎通り」では「東京シャンゼリゼプロジェクト」の対象地域にもなり、国内外の文化を発信する様々な施作が検討されている。これまでの虎ノ門エリアには少なかったベンチャー、メディア、クリエイティブ系企業を誘致、「新しいアイディアや多彩な文化・経済活動が創造される街」を目指す、としているが、周辺にはまだ古い中小のビルが残っており、東京の新名所として名乗りを上げるのはもう少し先になりそうだ。
2020年に開催される東京五輪、パラリンピックを追い風に、お家芸である街づくりを加速させたい森ビルだが、都内ではその他にも複数の大規模開発が予定されている。景気の先行き次第では、オフィス供給が過剰になるリスクが浮上する可能性もありそうだ。
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