婦人科検診を受けて! 女性のがんを減らす為に
Japan In-depth / 2016年6月11日 15時23分
勝部元気(コラムニスト・(株)リプロエージェント代表取締役社長)
開会の挨拶を務めた神奈川県臨床細胞学会会長の加藤久盛氏は、「若い人や未婚の人が大変な思いをする例が本当に後を絶ちません。もう少し早く来てくれれば…」と切実な思いを述べ、今回の開催にあたって「検診を身近にするために、来場者と一緒に考えたい。意識の高い方々から是非周りに発信して欲しい」と呼びかけました。
ゲストスピーチを行ったシンガーソングライターの井上苑子氏は、「カゼをひかないので、これまで体のことを考えたことがあまりなかった。でも無知ゆえに不安になることもあります」と述べた。素敵な歌を会場に響かせ、「早めに検診に行くことが大事と知り、みんなと一緒にお勉強したいと思います!」と自ら検診に行く考えを会場に届けました。
横浜市立大学付属病院産婦人科部長の宮城悦子氏によるレクチャーでは、若年化の問題や、命が助かってもQOLに差があるという問題が指摘されました。また、日本の子宮頸がんの検診率は42.1%まで上昇したものの、まだまだ低いままであることや、HPVワクチンの正しい情報の在り方にも懸念を示されました。
第一部のトークセッションは、「経験者と乳がん・子宮頸がんの未来を考える」がテーマ。まず、乳がん経験者でモデルの藤森香衣氏から宮城氏に対して、「乳がん・子宮頸がんに関して学校で教える機会は無いのですか?」という質問が投げかけられ、宮城氏は「少しずつ文部科学省も動いて来ている。本当であれば期末テストで出して欲しいです」とより一層教育の必要性を訴えました。それを聞いた安倍氏は「カナダでは小学生から授業でやっている」と、事例を紹介。日本の健康に関する教育の遅れが問題視される一方で、先日退院したばかりというアイドルの夏目亜季氏からは、「まだ病気について周りに語る文化が無い。偏見が多くて悲しいです」と、制度だけではなく、文化・社会的な問題としても取り上げるべき、との指摘がなされました。
次に、安倍氏から「家庭の中で健康に関する会話が不足しているのでは?」と問題提起がなされ、宮城氏も「本来は年頃の娘に母親から話しかけるのが理想的だが、それができていない人が多い」と同調。それに対して総合司会を務める松田陽子氏は、「命が一番大事ということをしっかり伝えることで、子供も大切にされていると感じると思います」と自分の子育ての経験から意見を述べました。
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