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舛添知事問題、議会の問題へ発展

Japan In-depth / 2016年6月12日 23時0分

舛添知事問題、議会の問題へ発展

塩村あやか(東京都議会議員)

もはや「舛添知事」の問題ではなく「都議会議員」の問題です。

13日の総務委員会を前に「所属議会の議員として、書いてもらえませんか?」との依頼を頂き、私の意見と懸念を書いておきます。

私は無所属の一人会派。総務委員会の委員でもなく、今回は本会議での質問機会もなく、議会運営委員会にも入れない会派であることから、今定例会での発言権がない為、メディアでの発信は控えてきました。その理由は「TVで言うだけで、議会で何も言わないのか」という批判が来る事は明白。だったら、できる事を地道に行っていこうと考え、野党会派や議員と連携し、集中審議要求の会見を6会派共同で行ったりしてきました。

その間にもどんどん騒動は大きくなっていっています。もはや、この一連の騒動は「舛添知事」だけの問題ではなく、そうさせてしまっている「都議会議員」の問題だといえます。

注意すべき点①【13日と20日に集中審議の罠】

13日の総務委員会の集中審議で、都議会議員として決着をつけなくてはいけません。「13日は資料要求だ(時間に限りはあるが、審議はある)」「20日にも集中審議があるじゃないか」という声に騙されてはいけません。都議会の閉会日は15日です。現在「不信任案」がある会派から出されていますが、20日の審議を待ってからじゃないと判断できないということを言い出す、知事の延命を手助けする会派が出てくる可能性があります。「次の議会開催は9月」です。それまで知事は居座り続けます。

閉会日前の13日に開催することも、相当の抵抗があったと聞いています。野党としては都民の皆さんの声に応えなくてはという責任を負い(一部そうではない会派もあったそうですが…)、少数ながらがんばったそうです。総務委員会の理事会で、4時間近い攻防があったと聞いています。

注意すべき点②【会期延長か、13日に見切りを】

13日にどうしても決着がつかないという場合、1つだけ猶予の道があります。それは、20日の集中審議が終わった翌日の21日にまで会期の延長をすることです。なぜ21日なのか。翌日の22日が参議院選挙の公示日だからです。

20日の集中審議を待ちたいという議員が出たならば、「21日までの会期延長」と「21日での不信任案の採決」がセットであるはずです。

注意すべき点③【知事の給与削減条例には賛成してはいけない】

知事は一連の騒動を受けて、数日中に給与削減を議会に提出すると言われています。各会派には打診があったそうですが、私にはありませんでした。ですので、真偽のほどは分かりませんが、他の議員からの話や報道を見る限り本当だと思います。

知事が給与を削減するのは当然だと思います。しかし、この条例案に乗ってはいけません。なぜなら、「続投」を認めてしまうことになります。

まとめ①【たぶん知事答弁に進展ない集中審議】

都議会議員として、今回の問題はすでに私たち議員の問題になっていると思います。「毎週の知事の定例会見」「代表質問」「一般質問」「第三者の厳しい目による調査報告会見」をもってしても、知事は都民や議員の疑問に答えてはいません。疑惑は深まるばかりです。

明日、13日の集中審議でどれだけ明らかになるんでしょうか。明日も知事が変わらなければ、この先も変わりません。15日の閉会日で「知事の不信任」を問うべきです。

まとめ②【首長(知事)と議会の力関係】

新人議員研修が昨年ありました。最初の講義で「(首長と議会)この機関は一種の抑制と均衡の間にいてください。片一方だけ強まるのは困る。どうしてもとなれば不信任案を出す以外ない」とレクチャーを受けました。

これは大森彌東京大学名誉教授がある議員の質問に答えた言葉です。今回に当てはめてみると、どうでしょうか。知事はすでに「議会の指示に従う」といった発言もあります。このまま舛添知事が居座り続けると、議会が強くなりすぎて知事のリーダーシップは発揮できず、偏りすぎます。

時に知事は新国立競技場の負担金が増加した時のように、不条理な事に対し、もの申す強さが必要です。「あ、塩村さん議会が強くなってよかったね」という人がいるかも知れませんが、議会構成のバランスが都議会は悪い状態です。これで知事がレームダック状態で居座ると、都民の皆さんの利益にならない状態が続く可能性が高くなります。

まとめ③【議員の行動をチェック】

これまで書いてきたので、もうお分かりかと思います。13日がヤマです(※よほどの事がない限り)。各会派の動きを見てください。「追求の言葉」ではなく「実際の行動」を見てほしいのです。

13日の集中審議を終え「15日の最終日に不信任を」と主張できる会派は正しいと思います。反対に「資料要求があるので、(15日の閉会日はそのままに)20日に再度の集中審議を」と主張する会派は知事の延命に手を貸していると考えるのが、政治の世界が分かっている方だと思います。

さあ、13日は総務委員会の集中審議。私のこの原稿が都民の皆様のヒントになれば幸いです。

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