都知事選候補者政策評価 鳥越俊太郎候補 東京都長期ビジョンを読み解く!【特別編】
Japan In-depth / 2016年7月22日 15時0分
西村健(NPO法人日本公共利益研究所代表)
「西村健の地方自治ウォッチング」
今回から候補者それぞれの政策を客観的に診断していきたい。候補者の皆さんは都民へのわかりやすさを重視していて、専門家から見ると低レベルに感じるが、短期間のため調査や調整などの準備に限界があった中、頑張られたのだと思われる。
政策評価の専門家としての政策の観点から主要候補者の政策を見ていきたいと思う。なので「良い」「悪い」のような価値判断はいたしません。(ただし、異論反論オブジェクション是非大歓迎。それこそが民主主義社会には大事ですから)。「なんか偉そう」と感じるかもしれませんし、気分を害するかもしれませんが、その点はご容赦いただきたい。
1 鳥越氏の政策(HP)
2 特徴
「あなたに都政を取り戻す」。舛添氏の私物化を考えると素晴らしいキャッチフレーズだ。心優しいフレーズの政策が並んでいるのが特徴。「都民の不安を解消します」として、医療・介護子育て、貧困などリベラルな政策が並んでいる。「子育て・介護に優先的に予算を配分します」と優先順位を明確にしている。
3 疑問点
(1)「ムダをなくしつつも」
東京五輪について、現在のHPに更新される前は「五輪経費の徹底したコスト縮減を行います」だったのですが・・・なんらかの形が働いたのかもしれません。東京五輪のコストはどの候補者も言っております。ムダはどれくらい?そして、どのようにしてなくすのでしょうか?
根拠がないと判断できませんし、公約が果たされたのかが後々検証できません。現在の既得権益の構造にどのようにメスを入れるのでしょうか?そもそもどこにムダやコスト削減余地があるのでしょうか?
「徹底した」見直しのための積算を今くらいから始めないと、既得権益が多数いる世界に対しての徹底した「コスト削減」は難しいと思います。
(2)「東京の可能性や魅力を世界にアピールできる体制をつくります」
東京は世界的都市と言えますし、以下のような指摘もすでに多数あります。
【参考】CNN「東京が世界一魅力的な都市である50の理由」
行政の役割として、これ以上にお金をかけてやることでしょうか。アピールされる側の立場に立ってみてください。これだけ東京の可能性や魅力があふれている中、どう反応するでしょうか?しかも、行政主導のアピール・・・食傷気味、お腹いっぱいという言葉がお腹から出てきそうです。
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