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「2020年に向けた実行プラン」の問題点 東京都長期ビジョンを読み解く!その42

Japan In-depth / 2017年4月28日 8時55分

「2020年に向けた実行プラン」の問題点 東京都長期ビジョンを読み解く!その42

 西村健(NPO法人日本公共利益研究所代表)

「西村健の地方自治ウォッチング」

【まとめ】

・小池都政の2020年に向けた3つの柱実行プラン策定する。

・GDP120兆円など目標達成の手段が不明確。

・都議選では政策論争を期待。

 

■小池都政3つの柱

ダイバーシティ、セーフシティー、スマートシティー。小池都政の3つの2020年度までの取り組みにどれくらい予算が付くのか、みなさん知ってますか?

都民ファーストでつくる「新しい東京」~2020年に向けた実行プランにはそれが書かれている。この計画を見てみると、予算がどれくらいで、どれだけ注力されていくかがわかるのだ。今回はざっと見ていこう。

 

1.どの政策が優先されるのか?

都民ファーストでつくる「新しい東京」~2020年に向けた実行プランの概略版の4ページの表があるのだが、それに筆者が情報を付け加えたのが以下の表だ。(注:こちらの表を見るには、Japan In-depth HPにてご覧ください)

この表から言えることは何か。

【いえること】

・「地震に強いまちづくり」、「交通・物流ネットワークの形成」、「都市インフラの長寿命化・更新」が予算額の多い政策の柱のベスト3

・「地震に強いまちづくり」は都道や区市町村道の無電柱化、耐震化、木造住宅密集地域の不燃化など

・「交通・物流ネットワークの形成」は公共交通ネットワークの整備、物流拠点強化、羽田空港国際化など

・「都市インフラの長寿命化・更新」は橋・道路などの補修・補強、上下水道施設や首都高速道路などを計画的な更新など

・33年度までの4か年の予算額平均よりも29年度の予算額が多い政策の柱が9つある

・「誰もが活躍できるまち」「誰もがスポーツに親しめる社会」がその中で突出

・「誰もが活躍できるまち」は働き方改革、女子活躍支援、雇用支援

・「誰もがスポーツに親しめる社会」はアスリートを発掘・育成・強化、地域でスポーツを楽しめる環境整備、スポーツ活動を推進する企業への支援、スポーツ施設のバリアフリー化など

こういった状況だ。

 

2.目標達成の問題点

この計画は何を目指しているのか。2ページに目標値が書いてある。

【目標】

都内GDP:94.9兆円→120兆円に

訪都観光客数:1189万人→2500万人に

都民の生活満足度:54%→70%

世界の都市ランキング;3位→1位

■目標値の問題点

まずこの目標値が適切かどうかは、過去の政策を検証しないと意見は言えない。いやいや、その前に数値が適切かを議論する以前の問題なのである。

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