1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. スポーツ
  4. スポーツ総合

自分の“編集モデル”を見つめよう

Japan In-depth / 2017年8月11日 17時54分

一方でこの編集モデルは厄介のところもあり例えば、強くあらねばならないという強固なモデルを持って育った人間は、ある厳しい局面で自分の弱さをみてしまった時に、ひたすらに自分を責めるということにもなりかねません。

数例しか知りませんが、鬱になってしまったり精神的に追い詰められやすい人は、まず編集モデルに無自覚でありかつかなり強固な編集モデルを持っているように思います。

猫は絶対許せないと思っている人がある日自分は猫だったと気づいた時に、猫も悪くないなと考えられず、ずっと猫である自分を責め続けながら、一方でそんなはずはないとモデルにしがみつきながら、境目をさまようわけです。

全ての人間は編集モデルの世界を生きているわけですが、あくまでモデルなので、本当はどんなモデルでもいいわけです。わかりやすいモデルを提供して来たのが宗教だったのだと思います。さすがに長期間淘汰に耐えただけあって、皆がそれを信じた時にはちゃんと社会が円滑に回りやすいようになっているのではないでしょうか。

歴史上新たな編集モデルが誕生するたびに、ついに真実が明らかになったと言われるわけですが、実際のところは新たな編集の仕方の提示があったということなんだろうと思います。

人生は生きやすいように、どの編集モデルが合うかを選んで、それをインストールするかということだろうと思います。私が大事だと思うことは、私たちはあくまで編集モデルを選んでそれを使っているという認識です。

猫は猫でしかないんですが、それを嫌うような編集モデルと、好むような編集モデルがぶつかった時に、厄介なことが起こりやすいと感じています。

編集モデルがない世界には善も悪も意味もありません。全部こっちが勝手に編集しているだけです。原理主義とは編集モデルに距離を取れなくなって一色に染まってしまうことなんだろうと解釈しています。

(この記事は2017年7月1日に為末大HPに掲載されたものです)

※記事中の画像が表示されない場合は、http://japan-indepth.jp/?p=35464で記事をお読みください。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください