トランプ大統領の実績伝えぬメディア
Japan In-depth / 2017年12月16日 18時45分
古森義久(ジャーナリスト・麗澤大学特別教授)
「古森義久の内外透視」
【まとめ】
・トランプ氏が大統領に当選して1年1ヵ月、就任してから11ヵ月が過ぎた。
・日本主要メディアの「トランプ政権は崩壊」との予測が外れたのは、反トランプ勢力の米主要メディアや民主党側の発信に依存したため。
・トランプ大統領の北朝鮮政策、中国政策に米国内に反対や糾弾は少ない。経済も好調だが、米メディアは伝えない。
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2017年はまだ終わるには間があるが、ここらでこの1年のドナルド・トランプ大統領の実績の総括を試みてみよう。アメリカ政治史でも究極の型破りの指導者として異色の特徴を刻むトランプ氏が大統領に当選してすでに1年1ヵ月、就任してからは11ヵ月が過ぎた。
混乱や動揺が続いたトランプ政権はなお内外の激しい逆風を浴びながらも国内の従来の支持層を堅く保って、公約に掲げた政策の多くをしたたかに実現しつつある。この数日ほどをみても公約の大型減税案を議会上下両院の了承をほぼ得たようだ。
その直前にはトランプ大統領は中東問題に関連して「エルサレムはイスラエルの首都だ」という公式宣言をして、イスラム諸国から激しい反発を浴びた。だが当のアメリカ国内では珍しく超党派の賛成を集めた。その一方、上院議員選のアラバマ州での特別選挙ではトランプ大統領みずからが支援した共和党候補が敗れた。同州は本来、共和党の強力な地盤があったから、トランプ氏にとっては手痛い挫折だった。こんな現況の揺れをみても、いかにもトランプ氏らしいところだといえよう。
▲写真 エルサレムの嘆きの壁を訪れたメラニア・トランプ米大統領夫人 2017年5月22日 flickr The White House
さて日本の識者とかアメリカ通とされる人たち、さらには主要メディアの多くの言に従えば、トランプ氏はもうホワイトハウスにはいないはずである。日本の主要メディアでは「トランプ大統領は退任へ」「トランプ政権は崩壊」という予測が大手を振ってきたからだ。「トランプ大統領は『ロシア疑惑』で弾劾され、辞任する」という託宣も頻繁だった。
▲写真 ジャレッド・クシュナー米大統領上級顧問 flickr Chairman of the Joint Chiefs of Staff
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