米朝サミットで明らかになったトランプ大統領の「内通」
Japan In-depth / 2018年6月17日 10時48分
岩田太郎(在米ジャーナリスト)
「岩田太郎のアメリカどんつき通信」
【まとめ】
・米朝首脳会談、専門家から厳しい批判。
・露・中・北朝鮮と「内通」しているのではとの疑いあり。
・「米国第一」のスローガンは敵国への利益供与を隠すアリバイ作りか。
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米国のドナルド・トランプ大統領(72)と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長(34)が6月12日にシンガポールで史上初の米朝首脳会談を行った。直後の米世論調査では、50%以上の回答者が大統領の仕事を評価する一方、専門家からは厳しい批判が出されている。
▲写真 首脳会談に臨むトランプ米大統領と金正恩北朝鮮書記長 2018年6月12日 出典:facebook White House
そのなかでトランプ大統領のイメージとして米メディアにおいて繰り返し浮かび上がるのが、ロシアや中国や北朝鮮などに表面的には厳しい態度を取りながらも、実は「内通」「裏切り」をしている国の最高指導者としてのイメージだ。
たとえばトランプ大統領が米朝首脳会談で、米軍と対峙する北朝鮮の努光鉄(ノ・グァンチョル)人民武力相に敬礼を行い、その動画が北朝鮮のプロパガンダ番組で同国に都合の良い宣伝に使われたことは、「内通」のイメージを増幅させた。
https://youtu.be/yuQwntXCq5o
▲動画 北朝鮮努光鉄(ノ・グァンチョル)人民武力相に敬礼するトランプ米大統領
さらに、「絶叫おばさん」として知られる北朝鮮国営テレビの名物アナウンサー李春姫氏も満面の笑みで金・トランプ会談を絶賛し、トランプ大統領は金王朝に正統性を与える道具として使われている。このように、金正恩を「タフだ」「才能がある」と賛美するトランプ大統領は、独裁者に利益をもたらし、米国の価値観を損ねたとの批判も出ている。
加えて、会談から1週間も経ない6月17日に金委員長に電話をする予定で、日本など同盟国の指導者よりも親密な様子だ。トランプ大統領の一連の対北朝鮮融和策は、トランプ氏が米国と地政学的・イデオロギー的利益の面で相容れない北朝鮮と「内通」していると疑わせる結果を招いている。
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