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トルコ・エルドアン大統領再選、独裁続く

Japan In-depth / 2018年6月26日 23時0分

トルコ・エルドアン大統領再選、独裁続く

宮家邦彦(立命館大学 客員教授・外交政策研究所代表)

宮家邦彦の外交・安保カレンダー 2018#26

2018年6月25日-7月1日

【まとめ】

・トルコ選挙、現職エルドアン大統領勝利、独裁政治続く。

・英ウィリアム王子がヨルダン、イスラエル、パレスチナを訪問。

・米不法移民の親子分離問題で大揺れ、さすがのトランプ氏も折れたよう。

 

【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては写真説明と出典のみ記されていることがあります。その場合はJapan In-depthのサイトhttp://japan-indepth.jp/?p=40663でお読みください。】

 

そろそろ米朝首脳会談関連報道も食傷気味になった今週の筆者の関心事はトルコのダブル選挙(大統領選と議会選挙)の結果だ。案の定、現職エルドアン大統領の勝利に終わったようだが、どうも気分は晴れない。一体なぜだろう。

24日投開票の大統領選ではエルドアン現職大統領が勝利宣言。選挙後トルコは議員内閣制から大統領制に本格的に移行するが、何のことはない、民主選挙制度の下で2003年から15年も政権を握ってきた大統領の独裁政治が続いているだけだ。

同時に行われた議会挙でもエルドアンの与党連合が勝利したという。これでは、あのプーチンのロシアと大差ないではないか。開票率99%で得票率はエルドアン氏が53%、最大野党・共和人民党(CHP)のインジェ氏が31%だった。

これがロシアなら諦めもつくが、ここは腐ってもトルコだ。ケマルアタテュルクの時代に世俗主義の下で自由選挙による民主政治が始まり、戦後はNATOにも加盟する中東地域の優等生がトルコだ。その親日性も半端ではない、実に素晴らしい国である。

ある意味では、欧米には属さないがその周辺で欧米の文化や政治制度に(良い意味で)強い憧れを持っていた大国が三カ国ある。ロシアと日本とトルコがそれだ。これら三国は、西欧との接触を続けるうちに、独特の発展を続けてきた。

▲写真 エルドアン大統領 出典:Erdogan Twitter

まずはロシアだが、同国はキリスト教だが、東方教会だからか、カトリックやその宗教改革の結果生まれたプロテスタントとは異なる。結局、共産革命が起きたが、社会主義建設にも失敗し、最終的にソ連崩壊後、西欧になり切れなかった国である。

これに似ているのがトルコだ。イスラム国であり西欧とは文化的背景が異なるが、ケマルアタテュルクの革命で世俗化と非イスラム化を進め、NATOに加盟し、更にはEU加盟を目指したが、最終的に挫折した。トルコは永久にEUに加盟できないだろう。

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