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米vs北朝鮮 勝者はどっち?

Japan In-depth / 2019年3月7日 18時0分

米vs北朝鮮 勝者はどっち?


久保田るり子(産経新聞編集局編集委員)


【まとめ】


・米韓合同演習終了。トランプ氏韓国も北朝鮮も信用していない。


・金正恩、制裁解除獲得できずとも米韓合同演習一部中止等獲得。


・米朝協議は「核軍縮交渉」しか選択肢がなくなる可能性有り。


 


【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て表示されないことがあります。その場合はJapan In-depthのサイトhttps://japan-indepth.jp/?p=44561でお読みください。】


 


■ トランプは韓国も北朝鮮も信用していない


物別れに終わったハノイの第2回米朝首脳会談はトランプ氏と金正恩氏のどちらが勝者だったのか?会談後、米韓両政府は大規模な合同軍事演習の終了を発表、朝鮮半島は抑止体制も不透明となった。停滞が必至の米朝協議、果たして時間はどちらに味方しているのか。


会談の内幕がみえてきた。ジョン・ボルトン国家安保補佐官が米メディアに相次いで語ったところによると、トランプ大統領は金正恩委員長にビッグ・ディールを持ちかけ「核、化学兵器、弾道ミサイルを放棄しろ」として英語とハングルで書いた米国の要求文書を渡した。そしてその見返りとして「未来には莫大な経済」を得られると提示したが、金正恩氏はこれに応じなかった。


金正恩氏が提示してきたのは、ごく小さなスライス・サラミだった。老朽化した寧辺の核施設廃棄だ。米国はこれを「非常に限定的な譲歩」と評価した。しかし北朝鮮は見返りに国連制裁の核心部分5件の解除を求めてきたため会談は決裂したのだ。



▲写真 ジョン・ボルトン国家安保補佐官 出典:John Bolton twitter


 


ボルトン氏は、トランプ氏のノー・ディールが「米国の国益を守った」とし、北朝鮮が米国の要求をのむまで制裁圧力を維持していくと述べた。そして「門は開けてある。北朝鮮が門を通過するかは彼らにかかっている」。また「われわれの判断では時間はトランプ大統領の味方だ」と主導権を取ったことを強調した。


核、ミサイル、生物化学兵器放棄を一気に要求するのは米ブッシュ政権が成功させたリビア方式(2003年)に近い。イラク戦争でフセインを追い詰めた米国に我が身を投影、おびえたリビアのカダフィは核放棄に応じた。このとき米側を主導したのはジョン・ボルトン氏だ。カダフィを落としたのは米攻撃という恐怖だった。金正恩氏を対話の場に引きずりだしたのも、ステルス戦闘機による「斬首作戦」を含む米韓合同軍事演習だったが、対話開始で一転、トランプ米政権は作戦を経済制裁の兵糧攻めに絞った。


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