バヌアツ、ドローンでワクチン
Japan In-depth / 2019年5月3日 18時0分
相川梨絵(フリーアナウンサー・バヌアツ共和国親善大使)
「相川梨絵のバヌアツ・ニュース」
【まとめ】
・バヌアツで国として世界初のドローン僻地ワクチン輸送始動。
・ワクチン接種率を引き上げ、看護師の負担軽減を期待。
・支援なれするバヌアツ人、自意識芽生えるかどうかが課題。
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バヌアツ共和国では、現在、ドローンを使った僻地へのワクチン輸送のプロジェクトが進行中です。ユニセフ、オーストラリア政府などの資金的な支援はあるものの、正式な国のプロジェクトとしては世界で初めての試みです。
現状、バヌアツのワクチン接種は、島の中心地にあるワクチン保管所から看護師が歩き、時にはボートを使って、一つずつ村を訪問して行っています。
ワクチンは温度管理が命。2〜8℃という環境を保つために、ワクチンキャリアーと呼ばれる容器にアイスパックと、ワクチンを詰めて、それを担いで運びます。これがなかなかの重量。大小83の島々があり、火山列島特有の険しい山や未開発のブッシュが多いバヌアツ共和国。重いワクチンキャリアーを担いで、山道を歩く看護師の労力は、相当なものです。
毎月、全ての村の子供たちへワクチン接種を目指してはいますが、現実には難しいようです。それでも、ユニセフやJICAボランティアなど多くのサポートもあり、現在のワクチン接種率は約80パーセント。個人的には健闘していると思いますが、ユニセフがめざす、病気のアウトブレークを防げるレベルの95%には、まだまだ届きません。そうした中、ドローンのワクチン輸送で、この水準を引き上げ、さらに、看護師の負担を軽減できるのではと期待が高まっています。
2018年、UNICEFのホームページで、世界中のドローンの会社へ募集をかけました。応募のあった12社から、オーストラリアのSWOOP AEROとドイツのWING COPTERの2社に絞り、実践的な実験を行いました。
▲写真 村に到着したswoop aero社のドローン 提供:UNICEF
フェーズ1「使用済みワクチンを使ったドローン輸送」
首都のあるエファテ島で、2社のドローンの性能チェックが行われました。ポイントは、3つ。
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