米、子供に糖尿病リスク拡大
Japan In-depth / 2019年5月25日 11時0分
ファイゲンバーム 裕香
「裕香のFrom California」
【まとめ】
・アメリカの子ども約3分の1近くが太り過ぎで糖尿病予備軍。
・全米学校給食プログラム提供のランチを食べる子供は肥満傾向。
・食生活改善の役割を担う学校給食の早急な改善が求められる。
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アメリカの肥満問題は、深刻だ。アメリカで生活する子どもの約3分の1近くが太り過ぎで、糖尿病予備軍とも言われている。去年3月に医学誌のJournal Pediatricsが発表した論文では、この肥満問題は、5歳以下の子どもにも広がっていて、2歳から5歳の子どもたちの26パーセントが太り過ぎで、そのうちの15パーセント以上が肥満であることが分かった。1970年代以降、その数は3倍にも膨れ上がっている。
バラク・オバマ前政権時代、ミッシェル・オバマ元大統領夫人は、子どもの肥満撲滅キャンペーン「レッツ・ムーブ」を立ち上げ、全米で学校給食の内容が見直された。フルーツ、野菜、全粒粉の穀物を増やし、無脂肪か低脂肪の牛乳のみ提供することや、年齢に合ったカロリー計算をし、糖分、塩分を減らしてトランス脂肪酸を排除することなどの方針を盛り込み、給食の栄養価は著しく改善された。
▲写真 栄養基準を満たす健康的な食事を提供する学校でミッシェル・オバマ夫人が昼食のために子供たちと一緒に昼食。 出典:The White House
しかし、2017年1月のドナルド・トランプ大統領就任後、それまでのオバマ政策を一掃し、レッツ・ムーブの取り組みは排除されることとなった。トランプ大統領は、ミッシェルオバマ元大統領夫人のルールを批判し、「学校の生徒たちは健康的な食事を好んでいないし、大部分の食事が捨てられていた」と述べた。
昨年末に米国農務省が発表した新しい規則によれば、牛乳や、全粒穀物、およびナトリウムの摂取に関しては、地域によって柔軟に対応することが決められた。そのため、給食に糖分の入った牛乳、精製した穀物が出るようになり、塩分の基準が緩和された。
▲写真 ピザのランチを食べるために並んでいる中学生の子どもたち©ファイゲンバーム裕香
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