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マレーシア相次ぐ野生象の死

Japan In-depth / 2019年6月9日 13時26分

マレーシア相次ぐ野生象の死


大塚智彦(Pan Asia News 記者)


「大塚智彦の東南アジア万華鏡」


【まとめ】


・マレー半島やボルネオ島の野生ゾウが年々減少。密漁や駆除で。


・電気柵で人里との棲み分けによるゾウの保護が急務。


・絶滅危惧種への効果的な対策が急がれるも、打つ手なしが実情。


 


【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て表示されないことがあります。その場合はJapan In-depthのサイトhttps://japan-indepth.jp/?p=46205でお読みください。】


 


マレーシア南部シンガポールに近いジョホール州の野生保護林近くで6月4日に野生のマレーゾウ3頭が死んでいるのが見つかった。これまでの調査では毒性のものを食べたことにより死んだ可能性が高く、地元警察などでは「犯罪の可能性もある」として捜査に乗り出した。6月5日にマレーシアのベルナマ通信などが伝えた。


同通信などによると6月4日、現地時間の午前9時半ごろ、ジョホール州クランにあるスリ・ティモール3という村付近の道端でゾウ3頭が動かなくなっているのを通りがかった村人が発見、近くの警察署に通報した。


通報を受けた警察官や自然保護担当係官らが午前11時半ごろに現場に到着し、ゾウを調べたところ、3頭ともすでに死んでいたという。


マレーシア政府の水・土地・天然資源省のザビエル・ジャヤクマル大臣は「簡単な死骸の検死結果から、毒により死んだとみられ、犯罪の可能性が高い。毒の種類は特定に至っていない」との見方を示した。



▲写真 マレーシア水・土地・天然資源省・ザビエル・ジャヤクマル大臣 出典:Wikimedia Commons; Malekhanif


自然保護当局では死んだゾウの腎臓と肝臓のサンプルを科学調査局に送って「さらなる分析で死因の特定、毒の種類などを調査する」としているが、毒物の特定には今後約3カ月かかる見通しとしている。


死んだゾウ3頭は、足のサイズからそれぞれ年齢が18歳、20歳、22歳とみられることも明らかになり、発見場所に近いレンゴール森林保護区に生息する野生のマレーゾウで、何らかの理由で群れからはぐれて人家のある村付近に現れたものと推測されている。


 


■ マレーシアで相次ぐゾウの被害


東南アジアにはアジアゾウが各地に生息しており、特にマレー半島にはマレーゾウ、ボルネオ島にはボルネオゾウが生息しているが、野生のゾウは年々減少している。


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