ミャンマー、男女格差の現実
Japan In-depth / 2019年7月4日 18時0分
Japan In-depth 編集部(髙橋十詠、元木満里奈)
【まとめ】
・ミャンマーの民族衣装、ロンジーまでもが男女の格差を生み出す。
・ティン・リン氏、7年もの監獄中に反政府的アートを製作し続けた。
・ミャンマーの社会問題は、ロヒンギャ難民問題にまで拡大。
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反政府活動で囚われの身となりながらも、独房からアートを発信し続けていたミャンマー出身の現代美術家ティン・リン氏の個展が、Shinwa Artex株式会社により6月17日から6月29日まで、日本で初開催された。その一環として、ティン・リン氏とShinwa Wise Holdings 会長の倉田陽一郎氏、そしてHuman Rights Watchの笠井哲平氏により「ロンジー・プロジェクト〜女と男の壁をぶち壊せ!〜」のダイアログセッションが行われた。
現在、ミャンマーではロヒンギャ難民の宗教的、人種的差別や迫害が世界でも問題視されている。男女差別も根深く存在しているミャンマーの現状について、ティン・リン氏はアートを通して声をあげ続けている。
ロンジーとは、現在も多くの人がミャンマーで日常的に身につけている巻きスカートのような民族衣装である。しかし、男性用ロンジーと女性用ロンジーは一緒に洗濯されることがタブーとされている。それは男性の運気を下げるだけではなく、権限すら失われると言われてきたからであり、男性は女性用ロンジーに触れることすら毛嫌いするそうだ。このような男女差別に対する思いをティン・リン氏は実際にロンジーを作品の素材として使用し表現した。
写真)ティン・リン氏の作品「ウィン・ミン・タン」
”女物のロンジーは、単なる女性用のロンジーです”
(C)Japan In-depth編集部
写真)ティン・リン氏の作品 (C)Japan In-depth編集部
左側:「オマー・ソー」(絵の中の女性の名)”女物のロンジーと男物のロンジーを分けることは、ある種の性差別です。それ以上のことは何もありません。しかし、ミャンマーにおいては依然として、男女のロンジーを分けて洗う習慣があります。”
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