トランプ弾劾プロセス進行中
Japan In-depth / 2019年11月26日 10時57分
大原ケイ(英語版権エージェント)
「アメリカ本音通信」
【まとめ】
・外交官、現役軍人が異例の証言。トランプ大統領、ツイッターで反撃。
・「交換条件」について証言。ペンス副大統領が「裏外交」を認知とも。
・共和党が要請した証人2人の証言も結果、トランプ大統領に不利に。
2週にわたり5日間、35時間をかけ、12人の参考証人への聴聞によって、ドナルド・トランプ大統領の弾劾調査の公聴会が始まった。以下はそれぞれの証言者のまとめ。
1日目
ジョージ・ケント ヨーロッパおよびユーラシア担当首席公使
ウィリアム・テイラー 駐ウクライナ米国代理大使
合わせて50年以上の勤務になるベテランの外交官2人は、マリー・ヨヴァノヴィッチ駐ウクライナ大使が今年5月に急に呼び戻された後に、ウクライナ担当の後継者として現職に任命された。
アメリカの対ウクライナ外交方針としては、2014年ウクライナで起きた「威厳革命」から引き続き、政権内にはびこっていた汚職を一掃し、ロシアと戦争中のウクライナ軍をサポートするために尽力していたが、その表向きの使命とは別に、ドナルド・トランプの個人弁護士であるルドルフ・ジュリアーニが率いるirregular channel(「裏外交」)があることに気づき、米下院議会情報委員会による弾劾調査の聴聞に応じた。
▲画像 米下院情報委員会公聴会(2019年11月13日)で宣誓するジョージ・ケント氏(左)とウィリアム・テイラー氏(右)
出典: YouTube; House Intelligence
ケントは親子4代にわたる外交官一家の出で、2004〜2005年のウクライナのオレンジ革命の際もキエフに赴任していた。「道義に沿って汚職をなくそうとすると、汚職に手を染めている者が怒り出すのは避けられない」という名言を残した。
テイラーはウェストポイント(米陸軍士官学校)卒のエリート軍人で、上位5位の成績ながら、自らベトナム戦争の前線を志願し、帰国後ハーバード大学ケネディー校で行政学をおさめ、その後は米各省で世界中を飛び回ってきた人物。
質疑応答中、バリトーンの落ち着いた彼の声を聞いたメディア関係者の間で、かつてのCBS局の名アナウンサー、ウォルター・クロンカイトを彷彿させるとして、ツイッターのトレンドとなった一幕も。
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