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新型肺炎で中国経済成長鈍化

Japan In-depth / 2020年2月11日 18時0分

新型肺炎で中国経済成長鈍化


宮家邦彦(立命館大学 客員教授・外交政策研究所代表)


「宮家邦彦の安保カレンダー 2020#7」


2020年2月10-16日


【まとめ】


・新型ウイルス影響は長期化へ。中国経済の成長鈍化が早まる恐れ。


・アイルランド選挙で左派民族主義政党が首位に。英首相の苦境続く。


・イスラエルの西岸入植地併合の動きを米大使が批判。煽ったのは米。


 


この原稿はハワイのワイキキで書いている。考えてみれば、筆者はこの数年間ゆっくり休んだ記憶がなかった。されば、今週ぐらいは世界の出来事のことをしばし忘れたいと思う。こんな休暇も偶には良いだろうと思うのだが、如何だろうか。それにしても先週も世界は、筆者の動向に関係なく、大いに動いたようだ。



▲画像 一般教書演説を終えたトランプ大統領と、演説原稿を破る民主党・ペロシ下院議長(右)(2020年2月5日)出典: The White House YouTube


ワシントンでは弾劾裁判で大統領が2月4日不起訴となる一方、翌日には下院議長が大統領が読み終えたばかりの一般教書演説を破り捨てた。彼女の行為は非礼だが、演説直前に大統領が彼女からの握手を意図的に断ったのも無礼だろう。目●●、鼻●●である。ワシントンについては直近のデュポンサークル便りを参照願いたい。


一方、日本では新型コロナウイルス感染で巨大客船3700人の検疫が始まった。この新型肺炎が中国経済、政治、社会、対外関係に与える影響は決して小さくないだろう。第一にこのウイルス拡散が中国の特異な政治社会環境によるものであり、第二に武漢がサプライチェーンのハブであることを考えれば、恐らく長期化すると思うからだ。


経済面では、ウイルス拡散で中国経済の成長鈍化が早まる恐れが出てきた。対外関係の面でも影響は出るだろう。例えば、対米関係では、米国企業の中国撤退が予想される中、トランプ政権は当面中国の「お手並み拝見」というところだろうし、対日関係では習近平氏の国賓訪日実施も微妙になってくるかもしれない。


今回ハワイでは仕事をしない筈だったが、ハワイの歴史をもう一度読み返して感じたのは、旧ハワイ王国国王と明治天皇との不思議な縁だ。西洋諸国からの干渉に悩まされていたカラカウア国王は1881年に訪日し明治天皇に拝謁、ハワイの王女と日本の皇族との縁組や日本・ハワイの連邦樹立などの大胆な提案を行ったのだから。



▲画像 ハワイ・カラカウア国王(1836-1891年)出典: HAWAII STATE ARCHIVES DIGITAL COLLECTIONS(Public domain)


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