ドイツ紙が衝いた中国の真実
Japan In-depth / 2020年5月4日 11時0分
古森義久(ジャーナリスト・麗澤大学特別教授)
「古森義久の内外透視」
【まとめ】
・ドイツ紙が中国に対し、ドイツの被害に対する巨額賠償金を要求。
・ドイツ紙の「中国は全世界をあざむいた」に中国は激しく反論。
・一新聞と中国の激烈な非難の応酬はウイルス拡散の異様性を反映。
新型コロナウイルスの感染がなお全世界に広がるなかで、ドイツで最大部数を有する新聞が社説で中国政府に対しドイツが受けた被害の賠償金支払いを要求した。だが中国政府は即時に「まったくの不当な要求だ」と反論した。
すると同新聞の主筆は中国の習近平国家主席あての公開書簡を公表して、中国政府の隠蔽工作こそがコロナウイルスを全世界に広げたのだとする激烈な非難をぶつけた。中国側はそれにまた反論し、ドイツの新聞対中国政府の、国際的にも珍しい険悪な論争が続き、欧州全体の注視を集めるようになった。
発端は4月15日、ドイツ国内で最大の発行部数を誇る日刊新聞「ビルト」が社説ふうの記事で「私たちへの中国の負債」と題して、中国を発生源とする新型コロナウイルス感染でドイツがこうむった被害への賠償を要求したことだった。
同記事はビルト紙の編集主幹ジュリアン・ライチェルト氏の署名入りで書かれ、中国がコロナウイルスについて「全世界をあざむいた」として、その結果、ドイツが受けた経済的被害の総額1650億ドル(約18兆1500億円相当)を中国政府が賠償として支払うべきだと要求していた。その被害の内訳としては観光業、航空業、中小企業、映画産業などをあげ、それぞれの産業分野での被害額を具体的な金額で示していた。
▲画像 中国の習近平国家主席に公開質問するビルト編集主幹のジュリアン・ライチェルト氏。 出典: Bildのホームページ
ライチェルト氏のその記事で損害賠償請求の理由などについて以下の骨子を述べていた。
「中国政府は新型コロナウイルスの拡散によって全世界に負わせた巨大な経済的打撃への賠償金を支払うべきだ」
「習近平主席、その政権、そして科学者たちはこのコロナウイルスが極度に感染力が強いことを長い期間、知りながら 外部世界にあえて知らせず、あざむいた」
「中国のトップの専門家たちは欧米の科学者、研究者たちが武漢でなにが起きているのか質問を重ねたことに対し、答えなかった」
「習近平氏よ、あなたは明らかに真実を告げることは自国の屈辱だとみなし、隠したのだろうが、その態度は高慢であり、民族主義過多だった」
この記事に関連するニュース
-
中国の主要都市で海外のスパイを密告する「監視員制度」が拡がる ホームページなどで公募、すでに全土で100万人超が活動か
NEWSポストセブン / 2024年4月23日 7時15分
-
「世界最強のパスポート」にビザを課す…日本と中国の関係の現在地
RKB毎日放送 / 2024年4月18日 17時11分
-
独、中国に対ロシア影響力を要求 ウクライナ巡り、習主席と会談
共同通信 / 2024年4月16日 21時32分
-
習近平主席、ドイツ首相と会談―中国
Record China / 2024年4月16日 19時50分
-
ショルツ独首相が訪中、習主席と会談へ 中国依存脱却できず、独経済抱えるジレンマ
産経ニュース / 2024年4月15日 11時16分
ランキング
-
1裏金ではなく“女性問題”で…宮沢博行前防衛副大臣が議員辞職へ 本人を直撃!
日テレNEWS NNN / 2024年4月23日 21時9分
-
2海自ヘリ2機墜落 搭乗の男性隊員8人全員の氏名公表 防衛省
日テレNEWS NNN / 2024年4月23日 17時35分
-
3「頂き女子りりちゃん」が詐取の約2500万円受け取ったか 元ホストの男が起訴内容認める
日テレNEWS NNN / 2024年4月23日 22時11分
-
4さらに2人が関与か 那須の2遺体、車内の血痕が女性のDNA型と一致
産経ニュース / 2024年4月23日 19時0分
-
5【速報】自民党安倍派・塩谷元文科大臣の離党届を受理
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年4月23日 15時52分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください