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バイデン氏、演説で国境危機触れず

Japan In-depth / 2021年5月2日 19時0分

バイデン氏、演説で国境危機触れず




古森義久(ジャーナリスト・麗澤大学特別教授)





「古森義久の内外透視」





【まとめ】





・バイデン大統領初の「議会演説」で大量の違法入国者問題に触れず。





・幼い子供たちが単身で送り込まれる事例が多いことが特徴。





・国境各州は「非常事態宣言」を要求。まさに国家レベルの危機。





 





アメリカのジョセフ・バイデン大統領の初めての議会演説は日本でも詳しく報道され、論評された。内政を主題としたその4月28日の演説は外交にも及び、広範なテーマが提起された。





この演説は日本の報道機関の多くが「施政方針演説」と名づけていたが、不正確な日本語訳だった。演説の主眼はこれからなにをするという方針よりも、バイデン大統領の就任以来の100日間の業績の報告だった。その報告を議会で初めて述べるという趣旨だった。議会での演説はもちろんアメリカ国民に向けて、ということになる。





しかも肝心のアメリカ側では公式にも、非公式にも演説の名称として「施政方針」などという表現はないのである。アメリカではこの演説は大統領の「議会への演説(Address to Congress)」、あるいは「議会演説」と題されていたのだ。





その点では日本の主要メディアでは日本経済新聞が最も正確だった。他の大手紙が軒並み、日本ふうの意訳の「施政方針演説」と呼んでいたのに対して、日本経済新聞だけはきちんと正確に「議会演説」と評していた。





施政方針演説というのは日本の総理が国会の冒頭に施策の方針を述べる演説である。議会制民主主義の日本では首相は議会から選ばれる。その首相が自分を選んだ議会に対して、これからの政策を報告するのが施政方針演説である。





だが大統領制のアメリカでは大統領は議会ではなく国民の直接の選挙で選ばれる。だから大統領と議会の関係は日本の首相と国会との関係とは異なるのである。そんな背景によってアメリカでの大統領でのこの種の演説は「議会への演説」とされるわけだ。





だから日本経済新聞の正しい用語使用には敬意を表したい。









▲写真 「議会演説」を行うバイデン大統領(2021年4月28日) 出典:米議会下院ホームページ





さてバイデン大統領の4月28日の初の議会演説は時間にすると1時間7分、内容はあくまで内政が重点だった。とはいえ、外交や国際問題にもさらりと触れて、総花的だった。





日本のメディアではこの演説の中国への言及部分だけをピックアップして、拡大し、いかにもバイデン大統領が主に中国について語った「中国政策演説」のように提示したところも多かった。





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