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偵察総局元大佐キム・グッソン氏が語る北朝鮮 第2回 総局は「諜報・テロ機関」

Japan In-depth / 2022年1月20日 23時56分

偵察総局元大佐キム・グッソン氏が語る北朝鮮 第2回 総局は「諜報・テロ機関」




朴斗鎮(コリア国際研究所所長)





【まとめ】





・金正恩は金英哲に立案させ、2009年2月に党作戦部、調査部(35号室)、人民軍偵察局を統合して「偵察総局」を創設。





・偵察総局は「組織指導部、宣伝扇動部などと同じ党の核心部署」であり、人民軍総参謀部の下部組織ではない。





・北朝鮮の対南戦略は、核武力に基づく国防力優位で韓国を政治隷属化すること」。





 





第2回 諜報・テロ機関の偵察総局について





1)金正恩の提案で工作機関を統合





偵察総局の創設について、キム・グッソン氏は、「金正日が2008年8月に脳溢血で倒れた直後に後継者に内定していた金正恩は、2009年にはすでに最高権力者として権力行使していた。金正恩の提案を受けた金正日は、党作戦部を率いていた呉克烈(オ・グクヨル)を呼んで説得し、それまでの諜報・テロ機関であった人民軍偵察局、党作戦局、党35号室(調査部)を解散させた。その上で金正恩に新たな諜報・テロ組織の創設を指示した。





金正恩は金英哲に立案させ、2009年2月に党作戦部、調査部(35号室)、人民軍偵察局を統合して偵察総局を創設した。そして初代総局長に金英哲を据えた」と語った。





金正恩と金英哲の関係については「金正恩と金英哲の関係は長く非常に深い。金英哲は金正恩の腹心中の腹心といっても良い。金英哲は金正恩の忠僕と言える。だから米国に送りトランプと会談させた。北朝鮮では外務省に権限はない」と述べた。





この金英哲(現統一戦線部担当書記・政治局員)とキム氏との関係は良好で両者は酒を酌み交わす間柄だったという。









▲写真 非武装地帯の板門店での軍事会議のために韓国の首席交渉者である韓民求(ハン・ミング)少佐と会談する北朝鮮の金英哲(現統一戦線部担当書記・政治局員)2006年5月18日 出典:Photo by Lee Dong-Hun-Pool/Getty Images





2)統合理由と部署の位置づけ





諜報・テロの3機関の統合理由については、①工作組織が忠誠競争をして各々動くので事故が多発し金正日の権威が墜落したこと。②金大中、盧武鉉政権に対する工作の露出や、小泉首相訪朝時の日本人拉致謝罪で金正日の権威が大きく傷ついたこと。③対南(韓国)工作を軍事化することだったとしている。





偵察総局の位置づけは、「組織指導部、宣伝扇動部などと同じ党の核心部署」だとキム氏は語った。韓国で言われているような人民軍総参謀部の下部組織ではないという。「だから偵察総局の活動については組織指導部も口出ししない。偵察総局は金正恩直属で対外戦略を作成する。外交は外務省だが、作戦は偵察総局が練る。それに基づいて金正恩が外務省に指示する。自身が所属していた5局は国家転覆局とも言える」とキム氏は明かした。





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