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【海外発!Breaking News】35年ぶりに映画上映したサウジアラビア 選ばれた作品に市民ガッカリ!?

TechinsightJapan / 2018年1月18日 15時39分

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アクション映画=危険人物が増える、ロマンティックな恋愛映画=男女の恋愛・結婚における概念や力関係が崩れる、キッズアニメ=ふざける子供たちが増える、コメディ映画=笑いなど不要…!? 悪い影響にばかりに目を向けていたらどんな作品も上映できなくなってしまう。こうしてあらゆるものを“低俗”だとして禁じてきた国の1つがご存じサウジアラビア。このほどなんと35年ぶりに映画館での作品上映が解禁となったそうだが…。

このたびの週末、サウジアラビアの人々が35年ぶりに映画館での作品鑑賞を楽しんだことを英メディア『Metro』が伝えた。サルマン国王の息子ムハンマド・ビン・サルマン皇太子(32)が規制緩和の一環として映画の上映を解禁すると決断したもので、復興を夢見る映画館は満を持してその日を迎えたもようだ。ところが絶対君主制国家で周辺のイスラム国家と比較しても際立って男女が不平等、宗教の自由も抑圧されているこの国では、何においても厳しい検閲が待っている。欧米やアジアから入ってくる映画作品に眉をひそめないわけがないのだ。

こうして当局が「上映してよし」と判断したのは、登場人物が絵文字ばかりという全米で昨年7月に公開された『The Emoji Movie(原題)』、そして昨年6月に全米で公開となったドリームワークスの子供向けアドベンチャー・アニメの『Captain Underpants:The First Epic Movie(原題)』であった。映画の評価に関する口コミ投稿サイトの『Rotten Tomatoes(ロッテン・トマト)』によれば、この絵文字作品は「最悪レベル」に相当する9%しか支持を得られていなかったもよう。首都リヤドに次ぐ大都市であるマッカ州のジッダでは、迫力あるスクリーンで作品を鑑賞する楽しさや興奮を味わいたいと大勢の人々が期待を込めて映画館にやってきたようだが、当局の作品チョイスには失望したことであろう。

同皇太子による規制緩和の影響で女性が車を運転できるようになったこの国では、少し前からアーティストによるコンサートやコメディアンのショーなども開催されるようになり、数か月もすればプレミア用のレッドカーペットやポップコーン売り場を設ける映画館も登場する。2030年までに300もの新しい映画館がオープンし、3万人の雇用がみこまれるという。しかし豊かな財政ゆえハード面は見事に揃えられても、ソフト面では相変わらず当局の厳しすぎる検閲が壁となってしまいそうだ。

この国では若者を中心に、より穏健なイスラム社会を目指す同皇太子に寄せる期待は大きい。長老たちの超保守的な思考回路や意識を彼が少しずつでも変えさせることができるのか、映画ひとつとってもやるべきことは山のようにありそうだ。

画像は『Metro 2018年1月16日付「Saudi Arabia’s first cinema screening in 35 years was of The Emoji Movie」(Picture: Sony Pictures/Kobal/REX/Shutterstock)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)

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