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【海外発!Breaking News】「まるでストローで呼吸しているよう」エンプティ・ノーズ症候群の苦悩を明かした女性(米)

TechinsightJapan / 2018年7月29日 21時54分

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エンプティ・ノーズ症候群(Empty Nose Syndrome:ENS)という病名を耳にしたことがあるだろうか。日本ではあまり知られていない病だが、かの有名なマイケル・ジャクソンも「この病に苦しんでいたのでは?」と言われている。このほどアメリカでエンプティ・ノーズ症候群を抱える女性が、決して軽視できない病であることを訴えた。『New York Post』などが伝えている。

米ニュージャージ州モンマス郡在住のバーバラ・シュミットさん(Barbara Schmidt)は、満足のいく呼吸ができずいつも息苦しさを感じる毎日を送っている。彼女はエンプティ・ノーズ症候群を抱えているが、病にかかったきっかけは20年前に遡る。

当時バーバラさんは、鼻づまりと蓄膿症を治すための手術を受けた。この時に鼻甲介を切除している。『New York Post』によると、エンプティ・ノーズ症候群は鼻の手術などにより鼻腔の中にある鼻甲介がダメージを受けることで発症する場合があるそうだ。

この鼻甲介は鼻から入ってきた空気を加温加湿するだけでなく、身体に呼吸しているという信号を脳に送る役割がある。もし鼻甲介が切除されたり機能しない場合は、外の空気をそのまま体内に取り込むことになり、人によっては異常なほど寒さを感じたり、息苦しさを感じることもあるという。

そのためバーバラさんは常に呼吸を意識しながら生活しているが、それでも「まるでストローを通して呼吸をしているように感じる」と語る。

「以前は意識しなくても、呼吸することが当たり前だと思っていました」と話すバーバラさんだが、今は呼吸が非常に浅く安定していない。睡眠中に息が苦しくなり、あえぎながら目が覚めることもあるそうだ。

オハイオ州コロンバスに拠点を置く鼻の専門医サビノイ・ダス氏は「この病の一番の問題は脳と呼吸においての伝達が充分に機能されていないことだ」と述べている。バーバラさんは今年の春にサビノイ医師のもとを訪ねており、治療を受けるうちに多少改善したもようで「誰かと会話する際に何度も一呼吸していたけど、今はそうならなくなった」と明かしている。

エンプティ・ノーズ症候群は1994年にメイヨークリニックのユージン・カーン博士によって医学的に確認されたが、患者はうつ状態に陥ることが多く、ユージン博士の患者のうち2名がこの病の苦しみに絶えられず自殺している。

さらにこの病は多くの場合、鼻の治療が原因で発症するため「医原病」とも言われている。世界的な認知はまだ低いようだが、これは治療を施した患者が後にエンプティ・ノーズ症候群の発症を医師が認めないケースが多いことも理由のひとつだろう。

カナダに住む元コンピューター・プログラマーのジェームス・スキナーさんも、鼻の手術の後にエンプティ・ノーズ症候群を発症した。しかし手術を担当した医師はそれを認めず「彼は術後に具合が悪いと大袈裟に言っているだけだ」と言い放ち、ジェームズさんを訴えるとまで話したそうだ。

どれだけ深刻で辛い病なのかは患者本人でなければ分からないだろうが、ある女性患者は「私は生きる気力を吸われてしまった。もし鼻甲介と足のどちらかを失うことになったら、私は足を失う方を選びます」と語っている。

画像は『New York Post 2018年7月15日付「My nightmare condition makes me feel like I’m constantly suffocating」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

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