【海外発!Breaking News】脳の寄生虫感染で18歳少年が死亡 加熱不十分の豚肉が原因か(印)
TechinsightJapan / 2019年4月3日 16時0分
インド北部に住む18歳の少年が、脳に嚢虫が寄生する「神経嚢虫症」により死亡した。死因は豚肉に寄生していた有鉤条虫の幼虫(囊虫)による感染症ではないかとみられている。『New York Post』『Inside Edition』などが伝えた。
ハリヤーナー州にあるファリーダーバード病院の救急外来に、18歳の少年が搬送された。少年は右目の腫れと右側睾丸の痛みを1週間ほど訴えており、当時は精神錯乱状態で痙攣発作を起こしていた。
すぐに検査が行われたが、医師らはMRIの画像で少年の脳に無数の白い点があることを確認した。医学雑誌『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(The New England Journal of Medicine)』によると、これは囊虫が脳の組織に入り込み、大脳皮質だけでなく脳幹、さらには小脳に多数の嚢胞を形成した結果だという。これにより少年は、脳に囊虫が寄生して痙攣発作や脳浮腫などの症状を起こす「神経嚢虫症(Neurocysticercosis、NCC)」を患っていたことが明らかになった。
医師らはステロイド系抗炎症薬デキサメタゾンと抗てんかん薬で必死の治療を試みたものの、少年は2週間後に死亡した。
神経嚢虫症は途上国での罹患率が高く、条虫の卵を含む食品や飲料、または嚢虫が潜む豚肉などを加熱処理が不十分のまま摂取することにより人に感染する。「米国神経学会(AAN)」では、近年は米国などの先進国でも罹患率が増加していることを指摘しており、十分な手洗いを心がけるなどの衛生管理をしっかりするとともに、肉をきちんと加熱処理することで予防が可能であるとしている。
なお昨年9月には中国で、BBQが好きな男性の脳から10センチの寄生虫を摘出したことが伝えられた。また2017年にも台湾で、刺身好きの少女の体内から260センチの寄生虫が摘出された。いずれも大事にはいたらなかったものの、寄生虫に関する認識をしっかりと持ち、予防に努めたいものである。
画像は『The New England Journal of Medicine 2019年3月28日付「Disseminated Cysticercosis」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)
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