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【海外発!Breaking News】プラスチックを排泄するカメ ゴミだらけの海に待ったなし(アルゼンチン)<動画あり>

TechinsightJapan / 2019年5月19日 15時55分

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人間にとっては便利で安価なプラスチックだが、適切に処理されずに海に流れ込んだプラスチックゴミは海洋生物にとって深刻な問題だ。このたびアルゼンチンの海岸沖で保護されたカメが、プラスチックを排泄する写真が拡散している。プラスチックの海洋汚染は地球規模で進んでおり、待ったなしの対策が必要なようだ。

アルゼンチンのブエノスアイレス海岸沖で漁網に絡まっているアオウミガメが保護され、サン・クレメンテ・デル・トゥユにある「ムンド・マリーノ財団(Mundo Marino foundation)」に運ばれた。アルゼンチン最大のムンド・マリーノ水族館に隣接するこの施設は、海洋生物や海鳥の救護・保全活動を行っており、広大な敷地内には初期収容施設、隔離施設、保護施設、手術病棟などが併設されている。

保護されたアオウミガメは体重が標準以下であったため、獣医によって血液検査が行われた。検査では特に異常が見つからなかったが、数時間後にカメは総排泄孔から茶色に変色したプラスチックを排泄した。

獣医のファン・パブロ・ローレイロさん(Juan Pablo Loureiro)によると、施設では今年に入って24匹のカメを保護しており、そのうちの11匹からプラスチックが発見されたそうだ。ローレイロさんは「カメはプラスチックゴミが消化器内に蓄積されることで空腹を感じなくなるのです。またエサも減っていることから次第に弱り、生き残るチャンスも減ってしまいます。これは非常に懸念すべきことです」と述べている。

カメがプラスチックをエサのクラゲと間違えて飲みこんでしまい、腸閉塞などで死んでしまうことも少なくない。またプラスチック片が刺さることで内臓に穴が開くこともあるという。施設では保護したカメにレントゲン検査を行い、長い時間をかけて消化器官の全てのプラスチックが排出されたことを確認してから海へと戻したようだ。



オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)のブリタ・デニス・ハーデスティ博士らが2018年9月に発表した調査結果では、対象となった952匹のウミガメの50%以上がプラスチックを摂取したことが明らかになっている。また若い個体ほどその確率が高く、ブラジル沖では若い個体のプラスチック摂取率は90%に上っている。また、たった一つのプラスチック片を摂取しただけでもその死亡率は22%と高く、14片を摂取した場合の死亡率は50%になるという。

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