【海外発!Breaking News】「私たちが何をしたというのだ」ドレッドヘアで美容業界の苦しみを訴える美容師(南ア)

TechinsightJapan / 2020年6月20日 6時45分

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南アフリカではロックダウンに入ってからまもなく3か月が経過する。徐々に緩和されてはいるものの、いまだ営業許可が下りないのがヘアサロンやネイルサロンなどの美容業界である。そんな中、一人の美容師が自らの髪の毛で心の葛藤を表現して話題になっている。『News24』など複数のメディアが伝えた。

南アフリカ・東ケープ州のウイテンヘージ(Uitenhage)という小さな町に住むオネレ・センビさん(Onele Cembi)は、低所得者層の住むタウンシップでドレッドヘアサロン「Odds and Odz Dreads Salon」を経営している。しかし彼の経営するサロンは3月26日から続くロックダウン規制のため営業できず、月3万ランド(約18万4千円)ほどの収入もゼロになった。センビさんの姉妹やガールフレンドもこの店で働いていたが、今は全く仕事がない。6人の子供をもつ父親でもあるセンビさんにとっても死活問題だ。

南アフリカ政府は、この事態の中で経営が悪化した会社のために「小規模事業向け救済基金」を行っているが、提出書類がタウンシップで経営する小さなサロンでは到底準備できないものばかりで、センビさんは「申し込みすらできない状況だ」と嘆く。タウンシップに300以上もあるサロンのうちで、救済基金を受け取ったという店はないとのことだ。

何もできない状況に煮詰まったセンビさんは5月初め、自身のドレッドヘアで作った「COVID19」という文字をぐるぐると巻いたドレッドヘアの上にのせた独特な立体ヘアアートで話題になった。オレンジ色の使い方がアフリカらしいこのヘアスタイルは、センビさんによると「ぐるぐるは家、その上にある文字は家具のようなもの」とのことだ。当時、新型コロナウイルスを全く気にせず屋外で遊んでいた子供たちは、センビさんのヘアスタイルを見ると声をかけ、この言葉の意味について尋ねてきたそうだ。その度にセンビさんは、マスクすらつけていない子供たちにステイホームや石鹸で手を洗うことを教えてきた。またセンビさんの店の常連客は、彼のヘアスタイルについて「最初に彼のアートを見たときは、車を止めて写真を撮らせてもらった。とても個性的だ」と称賛した。

ドレッドヘア歴10年で詩人としても活動しているセンビさんは、さらに新しいヘアアートを作った。ぐるぐるの数を倍にし、かつて反アパルトヘイトの曲のタイトルにもなった「Senzenina(私たちが何をしたんだ?)」という言葉をのせて作り上げた。今回の言葉には、6月1日にロックダウンがレベル3になり、教会や学校をはじめ多くの会社が事業を再開したにもかかわらず、自分たちは店を開けることが認められていないことから「一体私たちが何をしたというのだ」という心の叫びを表したそうだ。このヘアスタイルの作り方は他の美容師に真似をされたくないため、詳しいことは「企業秘密」とのこと。ちなみに夜はこの文字の部分を取り外して眠るという。

この抗議の言葉は多くの美容関係者が思っていることであり、彼らが政府に提出するために始めたオンライン嘆願書は7万件近く集まった。その後、美容関係者の雇用組織は政府と対話、今後この状況は大幅に改善されるようだ。センビさんの喜びのヘアスタイルを見ることができる日も近いかもしれない。

画像は『GroundUp 2020年6月15日付「Uitenhage stylist uses his hair to protest against Covid-19 lockdown」(Photo: Thamsanqa Mbovane)、2020年5月7日付「Covid-19: The message is in the hair」(Photo: Thamsanqa Mbovane)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)

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