高度成長期に誕生した超貴重な建物 赤羽台団地「スターハウス」が生まれ変わる

J-CASTトレンド / 2019年6月13日 19時50分

「第二の人生」歩む赤羽台団地のスターハウス

「スターハウス」という名前を耳にしたことはあるだろうか。高度経済成長期に日本住宅公団(現:UR都市機構)が全国各地に建設し、上から見ると星のような形をしていることから名付けられた集合住宅だ。

近年は建て替えなどで多くが取り壊されたが、東京・北区の赤羽台団地では全国的にも珍しい保存活動が進められている。

一時は解体危機も日本建築学会の要請で保存決定

赤羽台団地にスターハウスが誕生したのは1962年。直方体の住棟が規則正しく配置された団地の中で、星形の住棟は景観に個性をもたらした。

スターハウスは1960年代にかけて全国で広がりを見せたが、今日では老朽化などでその多くが姿を消している。赤羽台のものも例外ではなく、2000年代からはじまった団地の建て替え事業で3棟が解体の危機に瀕していた。

そうした状況に「待った」をかけたのが日本建築学会だった。赤羽台のスターハウスが「高度経済成長期の団地空間を後世に伝える」建築物であると評価し、2018年7月にURに対しスターハウスの保存と有効活用を要請した。

URはこれに応じ、スターハウス3棟の保存を決定。活用の方向性についてURの担当者は、2019年5月27日のJ-CASTトレンドの取材に対し、

「地域活性化や情報発信の拠点として利用することを予定している」

と語っていた。

「2030年の暮らし」のモデルを示す

赤羽台スターハウスの活用方法は、URが6月12日に行なった記者向け内覧会で明らかになった。URが東洋大学と行なう共同研究の一環として、「2030年の暮らし」をイメージしたモデルルームが、3棟あるスターハウスのうちの1棟に設けられたのだ。

3Kの住戸を全面的にリノベーション。最先端のネットワーク・AI(人工知能)技術が存分に注ぎ込まれている「未来の団地」の方向性を示すモデルルームに仕立てた。

例えば、室内には42個のセンサーが張り巡らされ、家電や家具に常に接続。これにより、住人の体温に合わせた最適な室温調整や空調の制御が自動で行なわれる。リビングのスクリーンで「買い物代行」を選択すると、冷蔵庫に不足している食材がそこに表示され、買い物代行サービスを通じて商品を購入できる――。2030年にはこのようなことが実現するだろう、というイメージを示している部屋だ。

URと共同で部屋を開発した東洋大学の坂村健氏は、

「(これからは)一人でいるよりAIと一緒に住みたいという時代が絶対に来る。究極のURの団地の姿は"極上のホテルにずっといる"という感じになるだろう」

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