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真鍋淑郎さんのノーベル物理学賞で注目 「忘れられた」詩人、白鳥省吾

J-CASTトレンド / 2021年10月31日 18時0分

JR小牛田駅。宮城県石巻市へ向かう電車が止まる(J-CASTトレンド編集部撮影)

日本人のノーベル賞受賞に関連して、詩人の白鳥省吾(1890~1973)にスポットが当たっている。物理学賞に選ばれた真鍋淑郎さん(90)の米ニュージャージー州の自宅に、白鳥の詩の墨書が飾られていたからだ。半世紀ほど前に亡くなった、今やほとんど忘れられた詩人と、気候温暖化を研究した世界的気象学者にどんな接点があったのだろうか。

井上靖の書と共に掲示

真鍋淑郎さんの自宅リビングには、井上靖と白鳥省吾の額入りの墨書が飾られていた。各メディアにその写真が紹介された。

インタビューで真鍋さん宅を訪れた朝日新聞の米国特派員、藤原学思記者は、井上の書については解読している。

「南紀の海はその一角だけが荒れ騒いでいた......」

この詩は井上が新聞記者時代、三重・熊野を訪れた際に書いた「渦」という詩の一節だという。しかし、白鳥の書については言及がなかった。

果たして、白鳥とはーー。

詳しく報じたのは10月16日の河北新報だ。「ノーベル賞・真鍋さん宅に『白鳥省吾』の詩 宮城の研究家ら関心」という見出し。「栗原市築館出身の民衆詩派詩人白鳥省吾の詩の墨書が飾ってあった。栗原市の白鳥研究家らは真鍋さんと白鳥のつながりに関心を寄せている」。白鳥が宮城県出身であったことから、同県を基盤とする河北新報は大きく取り上げた。

白鳥の墨書の詩は1922年発行の第6詩集「共生の旗」に収録された「夕景」の第1連の抜粋だという。夕景は3連構成で、小牛田駅(宮城県美里町)から石巻港(石巻市)に向かう列車で見た厳冬期の農村の貧しさが描かれている、と同紙は詳しく説明している。

どうして「夕景」を選んだのか

朝日新聞の「天声人語」も17日、白鳥のことを紹介している。

「ノーベル物理学賞の受賞が決まった直後、気象学者の真鍋淑郎さんが米国の自宅で応じたインタビューを見ていて気になったものがある。リビングの壁にかかった2編の詩だ▼井上靖の「渦」と、もう一つは白鳥省吾の作品だとわかった。前者はノーベル文学賞候補ともいわれた国民的作家だが、後者については知らなかった。どんな人物かと、出身地の宮城県栗原市にある白鳥省吾記念館を訪ねた・・・」

そして、「凍えゆく夕暮の広野は/暗紫にところどころ雪の白を点ず(中略)/寒き地の肌に氷に閉ざされし枯草に雪の上に/煤(すす)ふらし咽(むせ)びゆく」と、こちらも墨書の詩の概要を丁寧に紹介。「真鍋さん宅に抜粋が飾られた「夕景」から、厳冬期の東北の農村が目に浮かぶ」とつづっている。

果たして真鍋さんはどこで白鳥の詩を知り、なぜ墨書をリビングに飾っていたのか。「天声人語」は、「自然を愛し、自由で泥臭い言葉を紡いだ省吾は、〈文明は腫物のごとく田園を病ましむ〉ともうたった。気候の研究で地球温暖化の問題に貢献した真鍋さんの心に何か響くものがあったのだろうか」と結んでいる。

河北新報の取材に、白鳥の息子の東五さん(84)は、「真鍋さんの研究へのひたむきな姿勢と、父の詩に対する態度が相通じると思った」「どうして夕景を選んだのか、ぜひ聞いてみたい」と語っている。

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