重工業省、設備・電気機器に関する包括的安全規則を発表(インド)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月7日 1時0分
インド重工業省は8月28日付で「設備・電気機器安全規則(包括的技術規制)2024〔Machinery and Electrical Equipment Safety (Omnibus Technical Regulation:OTR) Order, 2024〕を発表した。OTRでは、インド国内で流通する広範囲の設備・電気機器に関して、インド標準規格局(BIS)の認証取得、または同局が定める「スキームX」に従った「規格準拠証明書(Certificate of Conformity)」取得、ならびにOTR記載の安全規格への適合を義務付けている。施行日はOTR発出日から1年後の2025年8月28日とした。
ジェトロがこの通達発行元の重工業省と面談したところ、担当部長のビィカス・ドグラ氏らから次の説明があった(10月29日ヒアリング)。
〇OTR発出の背景
インドでは従来、設備・電気機器に対する包括的な強制力ある安全規則はなく、製造企業の自主対応に任せてきたが、安全対応が不十分な設備・電気機器が導入されているケースもあり、今回のOTR発出となった。
〇施行日はOTR発出から1年後
インドとして初めての取り組みであることから、OTR発出から施行までに1年間の猶予期間を設けた。なお、OTRの適用対象は2025年8月28日以降に新たに設置される設備・電気機器で、既設の設備・電気機器は適用対象外となる。
〇HSコードと設備・電気機器品目との関係
OTRにはHSコードと当該製品名が併記されているが、HSコードがOTRへの適用該否判定の基準となる。従って、製品名がOTR記載の製品名と異なっている場合でも、使用HSコードがOTR記載のHSコードとなる場合は、OTR適用となると理解してもらいたい。
〇「スキームX」に言及している背景
BISによる「スキームX」は、設備・電気機器のようなバッチ生産を想定した認証スキームで、部品、製品を念頭に置いた「スキームI」とは異なる。OTRは「設備・電気機器」を包含する規制であることから、「スキームX」に言及した。
〇申請のためのオンラインポータルは準備中
OTRが在インド製造企業に大きな負荷を与えることは理解している。負荷軽減のために1~2カ月以内にオンラインポータルを準備し、それを活用しての申請、質疑による負荷軽減を図りたい。
〇企業からの照会対応
政府として初めての取り組みであり、OTRに関して多くの質問が寄せられることを想定している。日系企業からも要請があれば、セミナー開催などを企画し、質疑応答、意見交換を行いたい。
重工業省との面談では、OTRの円滑な施行への配慮や、課題対応への協力姿勢が見えた。施行時期は2025年8月と少し先だが、BISによる「スキームI」に基づくBIS認証(2024年3月18日付地域・分析レポート参照)に要する期間が昨今、長期化している傾向に鑑みると、今回の件に関しても迅速な対応が望ましい。
(波多野知行)
(インド)
外部リンク
- 米インド貿易政策フォーラム開催、重要鉱物やハイテク製品貿易で協力強化に合意(インド、米国)
- インドがEV用バッテリーの強制認証規格を発行(インド)
- 輸送車両に指定走行試験所での適合検査証明取得を義務化へ(インド)
- 白物家電分野の生産連動型優遇策(PLI)対象企業決定(インド)
- グジャラート州、「EV政策2021」で新たに独自の補助金(インド)
- EVの普及目指す政府、低税率も追い風-環境対策車をめぐる動き(1)-(インド)
- 新しいGSP品目別除外リスト、EUが1月から適用-インドの鉄鋼やケニアの花卉などが対象外に-(ロシア・中央アジア・コーカサス、インド、インドネシア、EU、ケニア、ウクライナ)
- EU、中国製BEVに対する相殺関税措置を発動、協議継続の方針も表明(中国、EU)
- 中ロが関係するコネクテッドカーの米国輸入・販売禁止規則案、外国政府や企業などから多くの要望(中国、米国、メキシコ、ロシア)
- 米USTR、対中301条関税の適用除外申請の受け付け開始、製造機械が対象(中国、米国)
この記事に関連するニュース
-
核融合の超大型国際プロジェクト…核心装置を韓国・現代重工業が製作・納品
KOREA WAVE / 2024年11月23日 8時1分
-
日系製造業の投資登録証明書(IRC)更新に支障、生産設備の経年使用基準が妨げに(ベトナム、日本)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月12日 1時10分
-
【東芝】リチウムイオン電池の酸化物負極を低コスト・低環境負荷でリサイクルする手法を開発 ~高出力・長寿命なニオブチタン酸化物負極等の簡易リサイクルを実現~
Digital PR Platform / 2024年11月6日 10時21分
-
中ロが関係するコネクテッドカーの米国輸入・販売禁止規則案、外国政府や企業などから多くの要望(米国、中国、ロシア、メキシコ)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月31日 13時0分
-
BAP認証、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)協会が認める認証スキームに明記される
PR TIMES / 2024年10月29日 17時15分
ランキング
-
1紛争地の人道支援で死者281人 過去最悪、ガザ被害中心
共同通信 / 2024年11月23日 7時40分
-
2ハンガリー首相、ネタニヤフ氏を招待 ICC逮捕状を無視
AFPBB News / 2024年11月23日 13時54分
-
3中国、持論を曲げ対日ビザ免除再開 景気低迷やトランプ氏再登板が影響か 日本側は驚き
産経ニュース / 2024年11月22日 19時44分
-
4「イスラエル首相に逮捕状」で分かれる各国の反応 米国は反発も、トランプ氏の対応に注目
産経ニュース / 2024年11月22日 20時59分
-
5「若者14人が墜落死」金正恩”絶対命令”の現場写真
デイリーNKジャパン / 2024年11月23日 5時19分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください