欧州産業連盟、「第2波」をEU経済の下振れリスクと指摘(EU)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2020年11月5日 14時25分

ビジネスヨーロッパ(欧州産業連盟)は11月3日、「秋季経済見通し」を発表し、EUの2020年および2021年の実質GDP成長率をそれぞれマイナス7.3%、5.0%とした。2020年については、産業部門や国によって差はあるものの、一部加盟国では予想より落ち込みが小さく、同連盟が5月に出した「春季経済見通し」のマイナス7.9%からやや上方修正した。また、2021年については5.8%からやや下方修正したが、ここ数週間、欧州各国で感染者数が予想以上に急速に増加し、新型コロナウイルス感染症の第2波が深刻な状況を呈し始め、ロックダウン措置などが再導入されたことが「下振れリスクをもたらす」と指摘。また、難航する英国との自由貿易協定(FTA)交渉や11月3日に投票が行われた米国の大統領選挙なども、EU経済の不確実性を増加させているとした。その上で、2021年末においても、EU経済の活動水準はコロナ危機以前と比較すると約3%下回り、失業率も2021年には約9%まで上昇すると予測した。

EUの復興基金の速やかな展開を訴える

同連盟はEUの政策立案者に対する提言として、まず、新たな景気後退やより甚大で長期間にわたる経済へのダメージを避けるため、新型コロナウイルス感染再拡大への対応として、賃金補助や税の減免措置といった支援の継続を訴えた。

また、2020年7月に欧州首脳が合意した総額7,500億ユーロ規模のEUの復興基金(2020年9月24日付地域・分析レポート参照)について、EUレベルでの大きなマクロ経済的な効果を期待し、投資のさらなる落ち込みを防ぎ、また投資家の政府に対する信頼の回復につながるとして、速やかな展開を訴えた。さらに、復興基金の財源は、欧州委員会がEU名義の債券を発行して市場から調達するが、同連盟はその償還について、EU経済の競争力の維持のためにも、企業に対して大きな負担を求めるような政治的な合意が将来、結ばれてはならないとした。

このほか、融資や投資が突然、減少しないように、銀行の自己資本に関する規制の変更は慎重に行うことや、EU・英国間のFTA締結も要求した。

(滝澤祥子)

(EU)

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