米商務省、TikTokとの取引禁止規則の停止発表、司法省は上訴(米国、中国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2020年11月16日 15時10分

米国商務省は11月12日、動画共有アプリTikTokを提供する中国企業バイトダンス(ByteDance)とその関連子会社との取引を禁止する規則について、連邦地裁の判断にいったん従うかたちで施行を停止したと明らかにした。正式には11月17日に官報で公示する。一方、司法省は控訴しており、バイトダンス側も米国事業の売却を命じる大統領令に対して提訴するなど、先行きの不透明感が増している。

バイトダンスとの取引禁止令については、これまでにワシントンDC連邦地裁がTikTokアプリの配信禁止を一時差し止めた(2020年9月29日記事参照)ほか、同アプリの利用者からの提訴を受けたペンシルベニア州連邦地裁が10月30日に、11月12日に施行予定だったインターネット関連事業の禁止措置も差し止めるよう商務長官に指示していた。

商務省は、ペンシルベニア州連邦地裁の指示を踏まえ、取引禁止令を全面的に停止したが、司法省は同地裁の判断を不服として、11月12日に第3巡回区連邦控訴裁に上訴することを通達している。原告のアプリ利用者が、商務省の措置は憲法上の表現の自由などを害し、行政手続き法に違反する恣意的な越権行為と主張するのに対し、司法省は国際緊急経済権限法(IEEPA)と国家緊急事態法(NEA)に基づく合法的なものと反論している。

米国事業の売却も膠着、次の期限は11月27日

TikTokの米国事業については、トランプ大統領がバイトダンスに対して売却など安全保障上のリスク軽減措置を11月12日までに取るよう命令していたが、財務省は13日、対米外国投資委員会(CFIUS)による審査期限を15日間延長すると発表した。延長期間内に当事者とCFIUSの間で課題解決のための調整が行われる予定。大統領は米IT大手オラクルと小売り大手ウォルマートによる買収案を原則承認しているが、バイトダンスはCFIUSとの協議で、米政府の回答がこの数週間得られていないとして、売却命令の無効を連邦地裁に訴えている(「ウォールストリート・ジャーナル」紙電子版11月11日)。

(藪恭兵)

(米国、中国)

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