世界銀行、2021年のサブサハラ・アフリカの経済成長見通しを下方修正(アフリカ、南アフリカ共和国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2021年1月12日 0時30分
世界銀行は1月5日発表の「世界経済見通し」(2021年1月6日記事参照)で、2021年のサブサハラ・アフリカ地域(以下、サブサハラ)の実質GDP成長率見通しを2.7%とし、2020年6月の前回発表(2020年6月11日記事参照)の3.1%から下方修正した。2020年の成長率についても、前回発表より0.9ポイント低いマイナス3.7%とした。2022年については、2021年を上回る3.3%との予測を示した。
同行は下方修正の理由として、現在も一部の国では新型コロナウイルスの感染拡大が収束していないことが、経済活動の回復に遅れをもたらすとした。また、世界的な資源価格の低迷を受け、特に産油国であるナイジェリアや南アフリカ共和国など資源輸出国で経済回復が遅れるとの見通しを示した。さらなる押し下げリスクとして、中国以外のアフリカの主要貿易相手国が、新型コロナのワクチン投与の遅れにより収束に時間を要し、経済再生に時間がかかる恐れがあることを指摘した。サブサハラ域内においても、脆弱(ぜいじゃく)なインフラや物流面などは、大規模なワクチン投与の障壁になるとした。
サブサハラ域内最大の経済大国であるナイジェリアは、原油価格低迷により、2021年の成長率は1.1%と前回発表から0.9ポイント下方修正された。域内の経済規模2位の南アも、新型コロナの感染拡大が依然として続き、前回発表より0.7ポイント低い3.3%の回復にとどまるとした。同行の定義によるサブサハラ47カ国中、2021年に最も高い成長率が予測された国はケニアで6.9%だった。東アフリカでは、ルワンダ(5.7%)とタンザニア(5.5%)が続く。西アフリカでは、コートジボワールやギニアが5.5%と予測されるなど、2020年から大きく回復を見込まれる国が目立った。他方で、政情が不安定な南スーダン(マイナス3.4%)、原油輸出に依存する赤道ギニア(マイナス2.8%)、コンゴ共和国(マイナス2.0%)などは、2021年もマイナス成長が見込まれている。
(高橋史)
(アフリカ、南アフリカ共和国)
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