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フランス、EV購入補助金を大幅減額(フランス)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年12月5日 14時30分

フランスで、電気自動車(EV)など低公害車の新車購入、リース契約に係わる補助金制度を改正する政令(フランス語)が12月1日付の官報に掲載され、翌2日に施行された。同政令により、(1)EVの乗用車新車購入とリース契約に対する環境報奨金を減額し、(2)個人や法人向け電気小型トラックに対する環境報奨金を廃止する。EVの新車購入支援に財政資源を集中するため、電動自転車や電動二輪・三輪車などへの環境報奨金も、2日から廃止された。

政令には環境報奨金に充てる予算に上限を設ける条項が盛り込まれた。支給総額が上限に達したところで、環境報奨金の受け付けは締め切られる。上限額は関係省庁のアレテ(省令)により制定されるが、経済・財務・産業省の12月2日付発表によると、2025年に約7億ユーロの予算が充てられる予定だ。

今回の改正により、環境報奨金はこれまでの最大7,000ユーロから4,000ユーロに大幅に減額となる。具体的には、1人当たりの課税対象所得額が1万6,300ユーロ以下の低所得層向けが4,000ユーロ、課税対象所得額が1万6,300ユーロを超える世帯向けは3,000ユーロ、このうち課税対象所得額が2万6,200ユーロを超える高所得層向けは2,000ユーロが上限となる。ただし、政令公布前に発注されたEVについては、2025年2月14日までに納車されることを条件に、改正前の報奨金制度が適用される。

これとは別に、同政令により、古い車両と引き換えに低公害車を購入する際に支給される買い替え補助金が全ての車両を対象に、12月2日から廃止された。他方、2024年に初めて導入された低所得世帯向けのEVの公的リース制度は、2025年に再度実施される。政府発表によると、同制度により約5万世帯が市場価格よりもはるかに低いリース料(月額100~150ユーロ)でEVを利用できるようになった。

政府は公的リース制度の財源として、エネルギー節約証書(注)を使った新たな資金調達プログラムを策定する計画だ。電気小型トラックの新車購入についても、エネルギー節約証書のかたちで資金を調達し、国家予算に依存しないで軽トラックの電動化を支援する方針を示しており、詳細を後日発表するとしている。

(注)エネルギー節約証書(CEE)制度とは、エネルギー供給者(電力会社やガス会社など)に対して、エネルギー消費を削減する義務を課す制度。エネルギー供給者はエネルギー消費を削減するためのプロジェクトを実施するか、他の企業や個人が実施したエネルギー節約プロジェクトからCEEを購入することで目標を達成する。

(山崎あき)

(フランス)

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