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中国、物流コスト削減の行動計画を発表(中国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年12月6日 1時20分

中国共産党中央弁公庁と中国国務院弁公庁は11月27日、「全社会の物流コストを効果的に低減させる行動計画」を公布した。行動計画では、物流資源の配置を最適化させ、物流の効率を向上させるとしており、2027年までにGDPに占める物流コストの割合を13.5%前後(注1)まで低減させる目標を掲げ、20項目の措置を掲げている。主な措置は次のとおり。

鉄道輸送分野の改革を推進する。各地の鉄路局(注2)の連携を強化し、効率的で安定した直通貨物列車の運行を発展させるとともに、高速鉄道を使った貨物輸送を模索する。
道路輸送分野の改革を推進する。道路輸送を手掛ける企業の経営の大規模化を推進する。トラックの違法な過積載や、排ガスの基準値超過、違法改造の管理・取り締まりを強化する。有料道路の通行料の体系を最適化し、有料道路の利用率を高める。
電気自動車(EV)、リチウム電池、太陽光発電製品の「新三様(新御三家)」製品の物流を効率化させる。国内港湾で倉庫の建設を強化し、「新三様」の効率的で便利な輸出を支える。大容量の蓄電池や大型の太陽電池モジュールの保管・運輸に関する技術標準を研究・導入する。港湾のRORO船(自動車運搬船)対応埠頭(ふとう)の建設や、河川運航用のRORO船の研究開発を奨励する。
国際サプライチェーンの品質と効率を向上させる。条件の整った地域で国際物流のハブを建設する。中欧班列の運行計画や輸送力体制を最適化させ、中欧班列の運行本数を増加させる。内陸部で物流拠点の建設を促進し、内陸物流ハブの貨物の集荷と通関に係るコストを削減する。
物流のデジタル化、スマート化を促進する。ビッグデータや第5世代移動通信システム(5G)、衛星通信システムの活用を推進し、高速道路や港湾、物流ハブのスマート化を加速させる。無人車両、無人船舶、無人航空機、無人倉庫、無人荷役などの技術や装備を活用し、倉庫、流通、輸送のスマート化を推進する。

中国政府は行動計画の目的について、物流サービスの供給と実体経済の需要を調整し、サプライチェーンの最適化を通じてコスト削減を図るもので、物流サービスの価格や、物流企業の利益を引き下げるものではないとしている。また、国家発展改革委員会の担当者は、行動計画の目標を達成した場合、2023年の物流コスト水準と比較して、比較的高い経済成長を維持したまま、社会全体の物流にかかるコストを1兆元(約21兆円、1元=約21円)以上削減できると指摘している。

(注1)2023年のGDPに占める物流コストの割合は14.4%だった。

(注2)鉄道の運行管理を行う国有企業の中国国家鉄路集団は、地方ごとに18の分局を設けている。

(廣田瑞生)

(中国)

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