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中国、ミャンマー国軍による権力掌握に対し静観の姿勢(中国、ミャンマー)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2021年2月5日 9時55分

中国外交部の汪文斌報道官は2月1日、ミャンマー国軍による権力掌握を受けた情勢について「ミャンマーの各派が、憲法および法律の枠組みの下で意見の食い違いを適切に処理し、政治と社会の安定を守ることを期待する」と述べた。また、汪報道官は「中国はミャンマーの友好的な隣国」との認識も示した。なお、汪報道官はミャンマーの情勢に関して、2月2日および3日の記者会見においても同様のコメントを繰り返している。

ミャンマー国軍による権力掌握については、ジョー・バイデン米国大統領などをはじめとし、閣僚レベルや政府外交部門が非難したり、懸念を示したりする国もある中、中国としては、非難せず静観する姿勢を維持している(2021年2月2日記事参照)。

直近の中国とミャンマーの間での外交上の往来をみると、2021年1月に王毅国務委員兼外交部長が、ASEAN数カ国への訪問の一環としてミャンマーを訪問していた。中国外交部の発表によると、王部長はその際、ミンアウンライン国軍司令官とも会見を行った。

同会見において、ミンアウンライン司令官は「ミャンマー側は中国の国際的地位と影響力が日増しに上昇していることを非常にうれしく思う」とした上で、「台湾、香港、新疆ウイグル自治区に関する問題について、中国の正当な立場を引き続き支持する」と表明していた。

なお、汪報道官は2月3日の記者会見において、ミャンマーの政局変化の背後には中国の水面下でのサポートや黙認があったのではないかとの問いに対し、「そういった見解は事実ではない」と述べ、否定した。

バイデン米大統領は2月1日、国軍の権力放棄に向けて、国際社会の取り組みの必要性を強調するとともに、必要に応じて制裁を再度検討する旨を表明している。

中国社会科学院アジア太平洋・グローバル戦略研究院の許利平研究員は、米国の制裁について、ミンアウンライン氏個人とその関連企業が対象になる可能性があるとの見解を示した。さらに許研究員は、アウンサンスーチー氏が解放されれば、バイデン大統領の制裁がより緩和されたものになるとも予測している(「サウスチャイナ・モーニングポスト」紙2月3日)。

アモイ大学南洋研究院の亨凱氏は、米国の制裁の有効性について、米国が2017年以降、ミャンマー国軍による同国北部のイスラム教徒ロヒンギャへの人権侵害があったとして、国軍関係者の一部への制裁を発動していることを踏まえ、同様の制裁を再度課すのであれば、効果は限定的だとの見方を示している(同)。また亨氏は、米国がミャンマーに対する制裁を課せば、国軍政権をより中国に接近させることになるとの見解を示した(同)。

(藤原智生)

(中国、ミャンマー)

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