2020年の中国の対米輸入は前年比10.4%増も、米中合意の達成率は58%(中国、米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2021年2月10日 0時0分

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2020年の中国の米国からの輸入額は、このほどジェトロがグローバル・トレード・アトラスを基にまとめたところ、前年比10.4%増の1,350億3,262万ドルとなった。2020年上半期は前年同期比4.4%減だったが、下半期の伸びが24.2%増と大きく、通年では2桁増となった(添付資料図参照)。中国の輸入額に占める米国のシェアは、前年(5.9%)から0.7ポイント拡大の6.6%、順位は2019年から1つ上げて4位となった(文末の注1)。

2020年1月に署名、2月に発効した米中間の第1段階となる経済・貿易協定では、中国は2020年と2021年の2年間で、2017年の輸入実績を基準とし、米国から工業製品や農産品、エネルギー、サービスを2,000億ドル以上追加購入・輸入しなくてはならないと規定されている。米国ピーターソン国際経済研究所によると、第1段階合意に基づく2020年の対米輸入目標額(サービスを除く)に対して、達成率は58%にとどまった。

輸入品目の上位15品目(HSコード6桁ベース)を前年比で見ると、2位の大豆が59.0%増、3位の乗用自動車が26.0%増、4位の石油が89.5%増、5位の半導体が73.0%増と軒並み2桁増となった。

上位15品目中、6品目(大豆、乗用自動車、石油、美容用調製品、液化プロパンガス、実綿)が追加関税の対象とされていたが、いずれも既に適用除外となっている。これら6品目は前年比ではいずれもプラスの伸びとなったが、米中合意の基準年である2017年との比較では、3品目(大豆は23.8%減、乗用車は29.3%減、液化プロパンガスは1.5%減)がその水準に届かなかった。なお、上位15品目全体では、2017年比で5品目が減少した。

米中合意の農産品分野の主要品目である大豆については、2020年上半期は輸入額が低迷したが、収穫期を迎える9月以降は急増し、11月、12月の月次では1位のブラジルを逆転した。下半期の伸びにより通年では追加関税が発動された2018年以降最高額となった。中国の大豆輸入は、米国とブラジルの2カ国で約90%を占める。国別のシェアは、2017年はブラジルが52.8%、米国が35.1%だったが、2020年にはブラジル63.1%、米国26.9%となり、ブラジルとの差は拡大している。

乗用車については、2020年は新型コロナウイルスの影響もあり、1~3月に米国、日本など上位国からの輸入全般が軒並み落ち込んだが、4月以降は徐々に回復し、下半期は前年同期比43.4%増と大きく伸び、通年では26.0%増となった。乗用車輸入全体では前年比3.3%増、国別ではドイツが3.3%減、日本も0.6%増にとどまる中、上位輸入国の中では米国の伸びが目立った。

増加した品目の中では、液化プロパンガスの輸入が前年比1,452倍と急増した。液化プロパンガスは、2018年8月に25%の追加関税がかけられたことなどにより、2019年の輸入がほぼストップしたが、2020年2月に適用除外措置の対象となると、4月以降は急増し、通年では2017年とほぼ同水準にまで回復した。同じく品目別4位の原油についても、2019年9月に5%の追加関税措置が発動して以降、輸入が低迷していたが、2020年2月に適用除外の対象となってからは増加しており、米国からの輸入が回復していることが見て取れる。

中国は2020年12月25日、米国原産の輸入品に課している追加関税措置の対象となっているポリエチレンや接着剤など6品目(第1期第2弾、文末の注2)について、適用除外措置を2021年12月25日まで延長すると発表した(2021年1月4日記事参照)が、これ以外の適用除外品目は、延長措置がなければ2月以降順次、期限切れとなる。

外交部の趙立堅報道官は1月15日の記者会見で、「中米貿易の本質は互恵関係であり、トランプ政権が発動した貿易戦争は米国自身の問題を解決しないばかりか、中米両国にとって損失だ。米国には、国内の理性的な声を聴き、中米貿易の健全な発展のために中国と歩み寄ることを希望する」とコメントした。

(注1)EU、ASEANといった地域連合は除く。

(注2)HSコードベースでは6品目が対象となるが、実際の適用除外品目はHSコード8桁以下の商品名称に基づく。

(江田真由美)

(中国、米国)

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