米国エネルギー省、バッテリー製造・リサイクルに30億ドルの助成金を発表(米国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年9月24日 13時40分
米国エネルギー省(DOE)は9月20日、2021年11月に成立したインフラ投資雇用法(IIJA)の下で制定された、バッテリー材料の加工、およびバッテリー製造とリサイクルに対する助成金の受給者を発表した。
同助成金は、米国におけるリサイクルを含むバッテリーの生産能力を高め、国内のサプライチェーンの確立を目指すもの。合計60億ドルが割り当てられており、2022年10月に発表された第1弾では、14のプロジェクトに18億2,000万ドルが投じられた。現在、施設の多くは建設中で、1施設は既に稼働した。今回の第2弾では、14州で行われる25のプロジェクトに対し、約30億ドルが拠出される見込みだ。DOEは今回の助成金により、施設の建設や運営など合計1万2,000人の新規雇用が創出されると見込む。
第2弾では、リチウム、グラファイト、マンガンなどの重要鉱物の採取とリサイクルや、電解質塩、固体電解質、セパレーター用ポリマー、正極材、負極材といった、サプライチェーンの要となる部品の製造施設の建設と拡張を行う企業などが選ばれた。バッテリー材料メーカーのアルべマールやテラボルタのほか、日系商社の丸紅が出資するサーバソリューションズや、アメリカ・バッテリー・テクノロジーカンパニー(ABTC)、アセンドエレメンツ、ライ・インダストリーズといったバッテリーリサイクル企業も含まれている(詳細はDOEホームページから確認できる)。
今回の発表に際し、ジョン・ポデスタ大統領上級顧問(国際気候政策)は「バイデン・ハリス政権は、同盟国やパートナーと協力し、国家安全保障、経済、そして地球のために、電気自動車(EV)とバッテリーのサプライチェーンを国内および友好国で構築するために利用可能なあらゆるツールを活用している。本日DOEが発表したバッテリー製造にかかわる助成金は、米国の製造基盤を強化し、全国で高給の労働組合員雇用を生み出し、気候変動危機への取り組みに役立つだろう」と述べた。
(大原典子)
(米国)
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