英国がCPTPPに正式加入、日本を含む12カ国に枠組み拡大(英国、日本、シンガポール、チリ、ニュージーランド、ベトナム、ペルー、マレーシア、ブルネイ、オーストラリア、カナダ、メキシコ)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年12月17日 16時20分
英国政府は12月15日、環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP)に正式に加入したと発表した(2024年8月30日記事参照)。
CPTPPは、5大陸にまたがる自由貿易圏で、英国の加入により12カ国となり、英国政府によると6億人近くの市場となるという。また、英国はCPTPPに加入する最初の欧州諸国となった。
2024年12月15日以降、次の締約国との貿易においてCPTPPが適用される。日本、シンガポール、チリ、ニュージーランド、ベトナム、ペルー、マレーシア、ブルネイ。また、12月24日からはオーストラリアが加わることになる。
一方、カナダ、メキシコは英国のCPTPP加入の批准手続きを完了していない。よって、英国政府は協定を批准する過程にある残りの締約国と緊密に協力し続けると言及している。
なお、CPTPP締約国が英国のCPTPP加入を批准すると、その60日後にはその締約国との間で協定が適用されるようになる。
英国政府はこの協定により、英国のCPTPP締約国への財輸出の99%以上が無関税となり、経済成長を促進するという政府の優先事項に貢献するとともに、長期的に年間約20億ポンド(約3,900億円、1ポンド=約195円)経済を押し上げる可能性があるとした。特に金融サービス、製造業、食品・飲料部門が恩恵を受けるとし、家計の賃金を毎年10億ポンド押し上げ、「変化に向けた計画(Plan for Change)」(2024年12月6日記事参照)で掲げる5つのミッションのうちの1つである経済成長の加速を後押しするとした。
英国のCPTPP加入により、日本から英国への輸出においては、日英包括的経済連携協定(EPA)では撤廃されなかったコメ・コメ加工品の関税が撤廃されることが特に注目されている(2024年11月25日記事参照)。
(坂本裕司)
(英国、日本、シンガポール、チリ、ニュージーランド、ベトナム、ペルー、マレーシア、ブルネイ、オーストラリア、カナダ、メキシコ)
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