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米タロス・エナジーが発見の石油資源の開発オペレーターはPEMEXに(メキシコ、米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2021年7月7日 13時0分

米国の石油ガス開発会社タロス・エナジーは7月5日付のプレスリリースで、メキシコのザマ(Zama)油田の資源開発オペレーターが石油公社PEMEXに決定したことを通知するメキシコ・エネルギー省からの書簡を受領したことを明らかにした。ザマ油田は、同社が2015年1月にメキシコの石油資源開発の民間開放第1弾となる「ラウンドワン」のフェーズ1(2015年7月28日記事参照)で、メキシコのシエラオイル&ガスと英国のプレミア・オイルと共同で落札した第7鉱区の炭鉱により、2017年7月に発見した油田。軽質原油の原始埋蔵量が13億6,000万~20億バレルに達する大規模油田だが、PEMEXに以前から割り当てられていたウチュキル油田に隣接することから、同資源をPEMEXと共同で開発することとなり、開発の主体となるオペレーターと生産した原油の取り分について、タロス・エナジーとPEMEXの双方の主張を聞いた上で、政府が決定することとなっていた。

タロス・エナジーは、最初に埋蔵を発見した試掘の後も埋蔵評価のための試掘を3回行い、民間鉱区(第7鉱区)とPEMEXのウチュキル油田の間の資源埋蔵割合は、民間が60%、PEMEXが40%とした上で、タロスがオペレーターとして資源開発を行う能力についても炭化水素資源委員会(CNH)に以前から情報を提出していた。他方、PEMEXは6月29日になってようやく共同鉱区の開発能力と資金を十分に有するという報告をCNHに行い、エネルギー省は同報告を受け取ってからわずか3日でPEMEXをオペレーターに決定した。

タロス・エナジーは法的手段に訴えることも考慮

複数の報道機関が報じている内容によると、PEMEXを共同鉱区のオペレーターとして決定した理由としてエネルギー省は、両者が提出した技術的情報を考慮した上で、PEMEXの方が優れていると判断したためだとしている。PEMEXは2021年に5,446億ペソ(約2兆9,953億円、1ペソ=約5.5円)の歳出予算があり、そのうちの84%が探査・生産部門に向けられるため、十分な開発予算を持つと同省は主張する。また、同省が独自に専門家に調査を依頼したところ、資源の埋蔵割合はPEMEXの鉱区が50.43%、タロス・エナジーの鉱区が49.57%で、これもPEMEXをオペレーターに選定した理由としている。

ザマ油田は水深166メートルの海底から掘り進める必要があり、PEMEXが有する海上プラットフォームは全て海底115メートルまでしか対応できない一方で、タロス・エナジーは海底168メートル以上に対応するプラットフォームを5基有しており、正当な技術評価が行われていないと指摘する声もある。タロス・エナジーは今回の決定に不満を表明しており、全ての法的手段を考慮に入れるとしている(タロス・エナジー7月5日付プレスリリース)。今後の展開次第では、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の枠組みでこの問題が争われる可能性があるとする見方もある。

(中畑貴雄)

(メキシコ、米国)

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