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トランプ米次期大統領によるメキシコからの輸入への追加関税示唆に、メキシコが反応(メキシコ、米国、カナダ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月29日 16時10分

メキシコのクラウディア・シェインバウム大統領は11月26日の記者会見で、米国のドナルド・トランプ次期大統領宛てに書簡を送付することを明らかにした。これは、前日の25日にトランプ氏が2025年1月20日の就任初日にメキシコとカナダからの全輸入品に25%の追加関税を課すと宣言し(2024年11月26日記事参照)、両国からの違法薬物や移民の流入がなくなるまで同関税を維持するという発言を受けて発信したもの。

シェインバウム大統領は書簡で「移民問題や違法薬物の問題に立ち向かうために必要なのは、脅しでも追加関税でもない」とした上で、追加関税によって起こり得る被害や違法薬物、移民問題の現状に関して次の見解を示している。

メキシコから米国に輸出している主要な企業はゼネラルモーターズ(GM)やステランティス、フォードといった、メキシコで長く操業する米系企業。追加関税を課すことは米国、メキシコ双方に雇用喪失やインフレをもたらし、米系企業をもリスクにさらすことになる。
米国を目指してメキシコに入国する移民については、メキシコ側でも対応策を講じてきた。この成果もあり、米国税関・国境警備局(CBP)によると、2023年12月から2024年11月にかけてメキシコと米国の国境でのCBPとメキシコからの移民との遭遇件数は75%も減少している。
米国・カナダ・メキシコに流入するフェンタニルをはじめとする合成薬物の前駆体(注)は、主にアジアから違法輸入されていることは周知の事実。メキシコでは現在、これに対抗するための憲法改正が進んでいる(2024年2月7日記事参照)。

また、翌27日の記者会見では、マルセロ・エブラルド・カサウボン経済相がこの追加関税の賦課表明に対し、上述の完成車メーカー3社の名前を挙げて、「25%の追加関税で最も影響を受けるのは、より米国向けに輸出している企業」で、この追加関税に対してメキシコやカナダが対抗して課すだろう関税によって影響を受けるのも、米国・カナダ・メキシコ間で自動車部品や完成車を大量に輸出入する同企業だと強調した。

トランプ次期大統領に対して、メキシコが提案する方向性として、(1)域内の安定性を維持するために協力し合うこと、(2)「繁栄を分かち合う」こと、(3)国際的な競争力を強化することを提示しており、自動車業界をはじめとするあらゆる産業界からの支持・協力の申し出を受けていることも付け加えた。

(注)化学物質が生成される前段階の物質のこと。

(渡邊千尋)

(メキシコ、米国、カナダ)

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