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大統領が政府のインフラプロジェクトへの許認可付与の迅速化を命令(メキシコ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2021年11月24日 13時35分

メキシコのアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール(AMLO)大統領は11月22日、官報で行政命令を公布した。命令では、連邦政府が進める通信、税関、国境、治水、水力、環境保全、観光、医療、鉄道、エネルギー、港湾、空港、その他の性質や複雑性、規模から国家開発にとって優先的あるいは戦略的と考えられるインフラプロジェクトを「公共の利益と国防のためのプロジェクト」と宣言し(第1条)、関連省庁に対し、申請から5営業日以内にプロジェクト実施の暫定許認可を付与する体制を整えるよう命じた(第2条)。

これにより、申請から5営業日以内に管轄当局からの回答がない場合、申請は承認されたものと見なされる。暫定許認可の有効期限は12カ月で、実施主体は同期間内に正式な許認可を取得することになる(第3条)。

識者から強い批判、国家情報アクセス庁(INAI)も調査開始

この行政命令は、AMLO政権が進めるドス・ボカス新製油所建設(2018年12月13日記事参照)やマヤ観光鉄道(2018年12月25日記事参照)などの大規模インフラプロジェクトが許認可取得の遅れによって遅延する事態がしばしば起きたことに対処するもの。今後の政府のインフラプロジェクトの円滑な着工を狙うものだが、識者からは強い批判の声が出ている。

その多くが、「公共の利益や国防」を理由に適切な手続きを経ることなく十分な情報公開もなされないかたちで、政府の重要なプロジェクトが開始されてしまうことを懸念するものだ。また、暫定許認可付与の後にインフラ工事が開始され、その後正式な許認可付与が却下された場合、それまでに投じられた支出が無駄になるだけでなく、環境や地域住民に対する損害がその時点で取り返しのつかない規模に達している可能性もあることも懸念材料として挙げられている。デントンズ・ロペス・ベラルデ法律事務所のアマンダ・バルデス弁護士は「このようなプロジェクトに対する許認可の規制は本来、開発プロジェクトが影響を受ける市民の権利に配慮した上で、整然と透明性が確保され、持続可能な方法で進められることを確保する目的で存在するものだ」と語っている(11月23日付現地紙「レフォルマ」)。

今回の行政命令に対しては、情報公開や個人情報保護を担当する国家情報アクセス庁(INAI)も問題視しており、同庁内の専門部署が同行政命令が国民の知る権利に与える影響を精査し、必要に応じて国民の情報アクセス権を保障するためのさまざまな法的対抗手段を検討するとしている(INAIプレスリリース11月23日付)。

(中畑貴雄)

(メキシコ)

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