商標の後天的識別性に関するパブコメ開始、登録できる商標の広がりに期待（ブラジル）

ブラジル産業財産庁は10月29日、商標の後天的識別性（注）の導入に向けた規則案と商標マニュアル案へのパブリックコメントの受け付けを開始した。パブリックコメントは2025年1月27日まで受け付けている。

この規則案は、現行の商標出願受付処理規則08/2022に、後天的識別性に関する規定を追加するもの。具体的な追加事項としては、後天的識別性の審査請求を商標出願時もしくは審判請求時に行うことや、後天的識別性を証明する書類を同請求日から60日以内に提出すること、同証明する書類で出願商標を過去5年間継続使用していること、ブラジルの消費者の大半が出願商標を識別できることを証明する必要があることなどを規定している。

商標マニュアル案では、後天的識別性の要件などについて記載しており、後天的識別性を証明する証拠が上記要件を満たすか否かの判断事例なども記載している。

商標の後天的識別性の導入に向けた規則案、商標マニュアル案へのコメントは、コメントを記入したフォームをブラジル産業財産庁に記載のメールアドレス宛てに送信することにより行える。

ブラジルの商標制度に後天的識別性が導入されることにより、ブラジルで登録できる商標の態様が広がることが期待される。

（注）商標の後天的識別性は、元来の標識は識別力を有しないものの、市場での使用を通じ、関連消費者にそれが商品などの出所の標識であると認識された商標の識別力のこと。

（安田勇太、ヘナート・郡司）

（ブラジル）