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新型コロナ対策や経済再生を柱に、大統領が施政方針演説(南アフリカ共和国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2021年2月17日 0時10分

南アフリカ共和国のシリル・ラマポーザ大統領は2月11日、施政方針演説(SoNA)を行った。2021年に優先して実施する政策として、1.新型コロナウイルス対策、2.経済再生の加速化、3.雇用創出のための経済の構造的改革、4.汚職の撲滅、の4点を柱に掲げた。

新型コロナウイルス対策に関しては、国内の感染拡大の第2波を乗り切ったばかりだと述べ(2021年2月3日記事参照)、引き続き予防対策と医療体制の強化が最も重要と説明した。ワクチンについては、当初、医療従事者などへの優先的な接種を予定していた英国製薬大手アストラゼネカ製は、2020年末に国内で発見された新型コロナ変異株「501Y.v2」(2020年12月22日記事参照)に対する効果が限定的だと国内の研究者が確認したことを受け、代わりに米国医療機器・製薬大手ジョンソン・エンド・ジョンソン製の接種を行うと発表した。同社から既に900万回分の調達を確保しており、そのうち第1弾として、2月15日の週に8万回分が届く予定だと述べた。

また、新型コロナウイルス感染拡大により、2020年を通して経済が低迷したことを受け、国内で貧困や格差、失業の問題がさらに悪化していると危機感を示し、政府が2020年10月に発表した「経済再生復興政策(ERRP)」(2020年10月19日記事参照)を実行していくと説明した。具体的には、パイプラインの施設をはじめとする国内での大規模なインフラ整備プロジェクト、発電容量の増加、(自動車などの)現地生産のさらなる拡大などを挙げた。中でも、前年のSoNA(2020年2月21日記事参照)の柱にも据えられていた、電力公社エスコムの改革は引き続き最重要課題だとの認識を示した。送電・発電・配電の事業分離を進めているとともに、2019年に発表した2030年までの電力統合資源計画(IRP)(2019年10月29日記事参照)に即して、再生可能エネルギーを中心に1万1,800メガワット(MW)の新規電源開発の調達を政府が進めていると述べた。自動車の現地生産に関しては、トヨタ、日産、いすゞ、フォードなど具体的な企業名を挙げ、ハイブリッド車をはじめ国内の生産施設拡大に向けた投資を行っていると強調した。

今回のSoNAを受けて、現地大手投資銀行インベステックのアナベル・ビショップ・チーフエコノミストは2月12日、国内でのワクチン接種の展開が順調に進む場合、2021年の南アの実質GDP成長率は2.9%のプラス成長に転じるとの予測を示した。一方で、野党や主要エコノミストなどからは、新型コロナ対策を除いてはおおむねこれまで掲げてきた政策目標の繰り返しで、特に、現在も不安定な供給が続く電力の調達に関しては、政府の対応の遅れを指摘する声が聞かれる。

(高橋史)

(南アフリカ共和国)

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