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米大手製薬イーライリリー、ウィスコンシン州の製造施設を30億ドルで拡張(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年12月11日 0時35分

米国大手製薬のイーライリリー(本社:インディアナ州)は12月5日、ウィスコンシン州の製造施設を約30億ドルで拡張すると発表した。この投資により、同社の非経口(注射)製剤のグローバル製造ネットワークが拡大し、糖尿病や肥満、研究開発段階にある医薬品への高まる需要に応えることが可能となる。同社は既存の100人以上の従業員に加え、750人の高度な技能を必要とする雇用を新たに創出する予定だ。

拡張した施設では、複数の治療分野にわたる注射薬の製造、医療機器の組み立て、医薬品の包装に重点的に取り組む。また、誘導車両やロボット、生産設備などの高度な自動化技術を活用することで、医薬品の生産を加速し、データ管理から業務に至るまでデジタル自動化を施設全体に組み込むことで、安全で高品質な医薬品の製造を目指す。同社は2024年4月にこの製造施設を無菌製剤メーカーのネクサス・ファーマスーティカルズ(本社:イリノイ州)から買収した。製造施設の拡張工事は2025年に開始する計画だ。

同社の執行副社長で製造部門の社長を務めるエドガルド・ヘルナンデス氏は今回の施設拡張について「当社の本拠地のインディアナ州以外では過去最大の製造に関する投資だ。当社の既存および将来の研究開発段階にある医薬品の製造能力をここ中西部で拡大する能力をさらに高めるものだ」と述べた。

同州のトニー・エバース知事(民主党)は「州南東部では、大手企業が大規模な事業拡大を発表するなど、この1年で目覚ましい成長を遂げている」とし、「ウィスコンシンは米国のテックハブ(注)として、個別対応医療とバイオヘルスの分野で米国をリードしている。イーライリリーとの提携を通じて、研究とイノベーションをさらに推進し、州の製造業を強化するとともに、州内はもちろん、世界中の労働者、家族、患者を支援する」と述べた。

(注)ウィスコンシン州は、2024年7月2日に米国商務省経済開発局(EDA)のテックハブプログラムを通じて助成対象となる12カ所のテックハブの1つに選定され、「ウィスコンシン・バイオヘルス・テックハブ」と呼ばれている(2024年7月4日記事参照)。

(星野香織)

(米国)

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