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準備銀行、政策金利を8.0%に引き下げ(南アフリカ共和国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年9月24日 15時45分

南アフリカ共和国の中央銀行である南アフリカ準備銀行(SARB)の金融政策委員会は9月19日、政策金利のレポレートを0.25ポイント引き下げ、8.0%とすることを決定した。前日に南ア統計局が8月のインフレ率が4.4%に低下と発表していたことなどから、利下げ発表となることが見込まれていた。

SARBのレセチャ・クガニャゴ総裁は会見の中で、8月のインフレ率が3年ぶりの低水準になり、インフレ目標値の中央付近となったことに触れ、「今後もこの水準は持続し、予測期間の最終年である2026年まで中央値の4.5%を下回る」とした。通貨ランドの上昇や原料価格の低下、加えて食品価格見通しの改善が物価水準の低下・安定に寄与しているとして、中期的には緩和政策を維持し、「来年に向けて金利は中立に向かい、7%をわずかに上回る水準で安定するだろう」との見方を示した。さらに、欧州中央銀行(2024年9月13日記事参照)や米国連邦準備制度理事会の利下げ発表(2024年9月19日記事参照)などを念頭に、「世界的に歓迎すべき動きがあった」とも述べた。こうした発言を受け、市場では2025年に向け0.25ポイントの利下げがあと3回程度行われるとの予測が出始めている。

しかし、クガニャゴ総裁は「中央銀行は慎重に行動しており、政策スタンスは比較的引き締められたままだ」とくぎを刺し、楽観論を制することも忘れなかった。不透明な世界情勢、地政学的リスクの高まりなどで世界経済にインフレ圧力が加われば、南アを含めて金融状況が引き締まる可能性は否定できないことや、南ア国内を見ても、電力料金の上昇が今後の物価水準に与える影響が懸念されている。

クガニャゴ総裁は、外部環境悪化の可能性があることを考慮すると、国内改革の勢いを維持することが極めて重要、とも指摘した。南アのGDP成長率は2024年第2四半期に前期比0.4%のプラスになったものの(2024年9月12日記事参照)、今後の見通しも低成長が予測される。特に懸念されているのは4四半期連続で縮小している投資で、南ア経済の持続的成長を促す観点からも、投資の回復が望まれる。

なお、次回の金融政策委員会は11月21日に予定されている。

(的場真太郎)

(南アフリカ共和国)

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