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2021年のGDP成長率予測を6.3%に上方修正、ワクチン接種が奏功(スペイン)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2021年9月27日 11時40分

スペイン中央銀行は9月21日に発表したマクロ経済予測で、2021年と2022年の実質GDP成長率をそれぞれ6.3%、5.9%と予測した。6月の前回予測から、いずれも0.1ポイントの上方修正となった。また、新型コロナウイルス感染拡大前の水準への完全回復は2022年半ばごろとし、これまでの予測(2022年末)よりも早い回復が期待される。

成長率予測の上方修正の最大の理由は、ワクチン接種の順調な進展だ。スペインのワクチン接種完了者は9月22日現在で全人口の77%に達し、世界的にも普及率が極めて高い国になっている。ワクチン接種の進展により、今春以降の感染第5波による医療逼迫の状況は大幅に解消されており、各地で活動制限が緩和され、人の移動がほぼ回復したことで、個人消費は2021年第2四半期に前期比でプラスに転じた。

主要項目別では、民間最終消費支出は感染拡大期に積み上げられた需要を背景に、2020年の前年比12.0%減から2021年は9.6%増と成長を大きく牽引する見込み。総固定資本形成は9.5%減から5.8%増へ、輸出と輸入もそれぞれ20.1%減から8.7%増、15.2%減から11.5%増への回復を予測している。インバウンド観光は、依然「新型コロナ禍」前の水準を大きく下回っているが、2023年の完全回復に向けて着実に回復していくと予測する。

また、欧州中央銀行(ECB)の金融緩和の継続や、政府の景気刺激策が回復を後押しするとしている。他方、EUの復興基金の執行については、予定よりも遅れており、その効果は2022年以降にずれ込む可能性があると指摘している。景気の下振れリスク要因としては、世界的な半導体やプラスチックなど原料の需給逼迫が長期化した場合の、自動車などの製造業が受ける影響を第1に挙げている。足元の電力・エネルギー価格の高騰や、そのほか急速な需要回復を背景としたインフレ上昇は一時的とみている。

なお、9月21日にはスペイン政府とOECDによる経済見通しもそれぞれ発表された。政府は2021年の実質GDP成長率を6.5%として前回予測(2021年4月22日記事参照)を維持し、OECDは6.8%と前回予測から0.9ポイント増の上方修正となった。いずれの予測でも、ワクチン接種の進展による経済効果が強調されている。

(伊藤裕規子)

(スペイン)

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